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異種の執着が紡ぐ、歪で純粋な愛の形
あらすじを読んでまず惹かれたのは、登場人物たちの抱える「孤独」と「未練」の重なり方です。主人公・飛鳥は火事で居場所を失い、15年ぶりに祖父の家を訪れます。彼が淡い希望を抱くのは、幼い時に山で遭難した自分を助けてくれた青年との再会。その青年が放った「緑色の瞳を綺麗だ」という言葉が、飛鳥にとってどれほどの支えになっているか、想像するだけで胸が締め付けられます。
ところが夜、飛鳥の前に現れるのは、山で女を襲い異形の子を孕ませると言い伝えられる怪異『ヌシ様』。そのヌシ様が何故か男である飛鳥に執着し、自らの子種を注ぎ込もうとしてくるのです。ここで注目したいのは、怪異が「無理矢理」の側面を持ちながらも、その執着の根底に何か別の感情が潜んでいる可能性です。プレイ内容に連続絶頂やメス堕ち、男子妊娠/出産と並び、体格差や触手といった非日常的な要素が列挙されていますが、この作品は単なる肉欲描写に留まらない「関係性のドラマ」を予感させます。
特に、ヌシ様が飛鳥にだけ執着する理由が、15年前の謎の青年と何か関係しているのではないか――という推理が頭を離れません。あらすじでは明かされていませんが、幼い飛鳥を助けた青年とヌシ様が同一存在なのか、ある全く別の因縁があるのか。どちらにせよ、飛鳥が長年抱いてきた「自分は父にも母にも似ていない」という容姿へのコンプレックスが、緑色の瞳を褒めてくれた青年、そして今や巨大な怪異となった存在によってどのように変容していくのか、そこに本作の核があるように思います。
高身長受と怪異攻めの非対称な関係性の深層
キャラクター設定を見てまず衝撃を受けたのが、飛鳥の身長が190センチであることです。BL作品では「高身長受」は一定の人気がありますが、相手が250センチ以上の巨大な怪異ということで、体格差がさらに極まっています。普段は穏やかで、自分に自信を持てずに生きてきた飛鳥。母の不倫の末に生まれ、両親に似ていない自分の容姿を嫌っていた彼が、唯一誇れると思える「緑色の瞳」を褒められたあの日の記憶。その記憶が彼の心の支えであり、同時に「自分は愛される価値があるのか」という問いかけでもあったのでしょう。
一方のヌシ様は、山に入った女を襲うと伝承される怪異。それなのに飛鳥という男にだけ強烈な執着を見せる。あらすじだけではヌシ様の内面は謎に包まれていますが、その行動の裏には「飛鳥を何としても自分のものにしたい」という純粋な欲求と、もしかすると15年前の出来事に起因する因縁が隠されている可能性が高い。飛鳥の緑色の瞳を見て何を思ったのか、なぜ飛鳥を孕ませようとするのか。触手を使った責め、乳首責め、巨根による連続絶頂といった過激なプレイが示すのは、単なる征服欲ではなく、飛鳥のすべてを自分の色に染め上げたいという独占欲の表れでしょう。
そして謎の青年。184センチというヌシ様よりは小柄ながら、飛鳥よりは少し低い絶妙な身長差。15年前に飛鳥を助け、その瞳を綺麗だと伝えた彼が、現在どうなっているのか、もしかするとヌシ様と同一人物なのか。もしそうだとしたら、青年が怪異になった経緯や、飛鳥への想いの変遷が物語の大きな鍵になるはずです。飛鳥が青年に抱く淡い慕情と、ヌシ様が与える激しく歪んだ愛の間で、飛鳥の心がどう揺れ動くのか。関係性の変化を追うのが非常に楽しみな構造です。
「注ぎ込む」という行為に込められた支配と渇望
この台詞は、あらすじの冒頭に掲げられたセリフです。一見すると単なる官能的で直接的な誘い文句に見えますが、よく読むと「ここに」という場所の指定、「たっぷり」という量へのこだわり、「注ぎ込んでやる」という一方的な行為のニュアンスが込められています。これは単なる性行為の描写ではなく、ヌシ様が飛鳥に対して「自分の一部を飛鳥の内部に満たしたい」という強い所有欲と、飛鳥を自分の領域に取り込みたいという渇望の表れだと解釈できます。
さらに「やるからな」という言い回しは、相手の意思を問わない支配的な態度を示す半面、どこか「これがお前にとって必要なことなんだ」という歪んだ愛情も感じさせます。飛鳥が長年求めてきた「愛されたい」という願いと、ヌシ様の「独占したい」という欲望が、この一行の裡で交錯する。この重く歪んだ関係性こそ、私がBL作品に求める核心の一つです。飛鳥がこの言葉をどのような気持ちで受け止めるのか、その心理描写に期待が高まります。
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