別れさせ屋とやばかわモンスター(2)

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別れさせ屋とやばかわモンスター(2)

発売日: 2026/07/16 | 著者: 甘夏すみ | 出版社: CLLENN | レーベル: NuPu | 33P

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紫苑

「別れさせ屋」という、相手に依存させてから去るプロの視点。この設定だけで既に背筋がぞわぞわする。そして相手は「愛が重すぎる無自覚モンスター」……これはもう、関係性の本気のぶつかり合いを覚悟しなければ。

仕事の甘やかしが、いつしか本物の沼になる瞬間

別れさせ屋の間城は、依頼人の恋人である朝木に接近。記念日すら忘れられた朝木の寂しさを、甘い言葉と身体の奥までとろけるような快楽で埋めていく。恋愛シミュレーションのように、彼は完璧なタイミングで優しさを与え、徐々に朝木を依存させていく。

しかし、依頼人の恋人と別れさせた後、距離を置こうとする間城の前で、朝木の様子がおかしくなる。いや、最初からおかしかったのかもしれない。彼の愛情は、普通の枠を超えている。間城が仕掛けたはずの罠が、いつしか自分自身を深く絡め取っていく——。

「依存させてる」つもりが「依存させられてる」のはどちらか。仕事として差し出した甘やかしが、本物の執着に変わる瞬間の背徳感が、この作品の根底に流れている。

紫苑

「依存させてるつもりがハマっているのはどっち」という構図。まさに私の求めていた解釈一致、この一文に全てが詰まっている。

見どころ

  • 「別れさせ屋」のプロフェッショナルな甘やかしと、「モンスター」の重すぎる愛の軋轢:間城の計算され尽くした優しさは、最初は読者をも騙すほどスマート。しかし、朝木の無自覚な執着が少しずつ表面化し、そのバランスが崩れていく過程が丁寧に描かれている。特に、朝木が記念日を忘れられたことに触れるシーンでは、彼の内に溜め込んだ寂しさと、それを埋めようとする間城のプロ根性とが交錯する。
  • 絵柄の密度と表情の緩急:朝木の目が徐々に暗く、深く沈んでいく様子は、台詞がなくても伝わる。一方、間城の表情は終始穏やかだが、その目線のわずかな揺らぎや指先の震えに、彼自身が気づき始めた感情の変化がにじむ。絵師の表現力が、関係性の重みをさらに強固にしている。
  • 伏線の効いた「仕事」と「本心」の境界線:別れさせ屋としての行動規範と、個人的な感情のバランス。間城が「仕事だから」と自分に言い聞かせるたびに、読者は彼の自我が崩れていく音を聞く。その緊張感が、ページをめくる手を止めさせない。

こんな人におすすめ

  • ✅ 別れさせ屋=相手を騙して依存させるという設定にゾクゾクする方
  • ✅ 愛が重すぎて、無自覚なまま周囲を振り回すタイプのキャラクターに魅力を感じる方(通称「やばかわ」属性)
  • ✅ プロフェッショナルな関係が、いつの間にか感情に侵食されていく様子をじっくり味わいたい方
紫苑

この作品の恐ろしいところは、朝木の重すぎる愛情が、最初はただの「かわいそうなターゲット」に見えていたところから始まること。そして読み進めるうちに、その愛情こそが最も純粋で危険な武器だと気づかされる。間城がどのようにこの沼から抜け出そうとするのか、それとも自ら沈むのか。続きが待ち遠しくて、もう一度最初から読み返したくなる。

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