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台風の一夜、三年分の片想いが「命令」に変わる
中堅メーカーの営業企画部で働く日下部晴(27)は、入社二年目に異動してから三年間、課長の鷹取静馬(32)に毎日叱られながら片想いを続けてきました。相手は男で、しかも上司。その戸惑いを抱えたまま迎えた地方出張の帰り、台風で新幹線が運休し、二人は山あいの老舗旅館の離れに一泊することになります。
この作品を他と分けるのは、関係性の重さが「三年分の報告書」という物として立ち上がる点です。鷹取が鞄から出したのは、付箋だらけの晴の報告書。他部署からの引き抜きを二度断った事実とともに差し出され、晴は「ずっと課長が好きでした」と打ち明けます。鷹取も「俺も同じだ」と答え、断っても月曜から仕事上は何も変わらないと伝えてから「抱いていいか」と問う。この順序に、この攻めの誠実さが出ています。
素面の同意と、合言葉「定時」
晴は素面のまま「抱いてください」と答え、さらに「命令してください。『やだ』って言っても、やめないで」と自ら頼みます。ここで交わされるのが合言葉の「定時」と、声が出なければ手を二回握る合図。行為中は短い命令口調のドSになる鷹取ですが、晴の手を握り続け、呼吸や瞳、握り返す力をこまめに確かめる描写が添えられています。
部下と上司という立場の上下は、そのまま行為の中の主従に接続されます。ただし、あくまで晴が自分から望んだ命令であること、合図が用意されていることが、この関係の輪郭を決めています。単なる支配ではなく、同意の設計が物語の芯にある作品です。
プレイの流れと、二度目に崩れる氷
行灯だけの和室から始まり、長い乳首責め、寸止め、前立腺開発、触られないままの潮吹きへと続きます。布団での一度目の大量中出しのあとも萎えず、客室露天風呂の縁での背面座位、広縁の籐椅子での騎乗位、布団に戻っての種付けプレスと、場所を変えながら最奥を責められる構成です。
見どころとして大きいのは、二度目の射精の瞬間だけ鷹取の命令口調が崩れ、初めて「晴」と名前を呼んで「好きだ」と告げる点。最後まで「お前」「日下部」で通してきた男が、ここでだけ呼び方を変える落差が用意されています。上着と合鍵という結末のアイテムも、冒頭の雨のホームと静かに響き合います。
こんな読者に合う作品
- 執着攻め・年下攻めの気配を、行動と物証から拾いたい人
- 上司と部下の立場の上下が、行為の中の主従に重なる構図を好む人
- ハッピーエンドを前提に、重い関係性を最後まで読みたい人
- 同意の取り方や合図の設計まで含めて、関係性の解像度を味わいたい人
氷と呼ばれる男の感情が、三年分の報告書と最後の一度の呼称に集約される。そういう静かな設計のBL小説を探している方に向いています。DLsite専売での販売です。
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