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発売日:2026/05/18
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すれ違う記憶が織りなす、大人の切ない官能
本作は、亡き親友の身代わりとして王子のもとに嫁いだ魔女のヒセラが、夫からの衝撃的な宣言に戸惑いながらも、拒絶の裏にある執着に抗えず溺れていく物語です。
「悪いけど、君を孕ますつもりはないんだ」という王子の言葉は、一見すると冷たく距離を置くようですが、その後の夜ごとに重ねられる肌の熱が、この宣言の裏にある深い事情を暗示させます。
そして王子は、かつて愛する妻と新たに宿った命を奪われ、死に戻りを遂げた存在。すれ違う二人の記憶が、どのように交錯し、真実へと迫るのか――その過程に、大人の恋愛ならではの切なさと官能が織り込まれているのです。
言葉と身体が乖離する、二人の歪な関係性
ヒセラは、親友で本物の聖女だったジゼルフィアの身代わりとして、罪悪感を抱えながらも夫であるリシャルトとの夜を重ねます。偽りの花嫁としての立場に苦しみつつ、彼の腕の中では抗うことなく溺れてしまう――その心理の揺れ動きが丁寧に描かれています。
一方のリシャルトは、妻として迎えたヒセラに対して「孕ますつもりはない」と言い放ちながらも、その視線はどこまでも執着的で、夜ごとの触れ合いは拒絶とは真逆の濃密さ。言葉と身体の乖離が、彼の中にある過去の傷と、未来を知るがゆえの危惧を浮き彫りにします。
この二人のすれ違いは、単なる誤解ではなく、死に戻りという重い運命を背負う王子の孤独な選択と、それに気づかないヒセラの純粋な戸惑いが交差することで、より一層深みを増しているのです。
この一言が全てを物語る――
この冒頭近くの王子の台詞は、一見すると拒絶でありながら、実は彼の過去を知っている読者にとっては最大の伏線であり、愛情の裏返しでもあります。
かつて愛する妻と新たな命を奪われた死に戻りの王子にとって、もう同じ悲劇を繰り返さないための決意の言葉。それでもヒセラへの想いは止められず、拒絶の言葉とは裏腹に夜ごと求めてしまう――その矛盾こそが、彼の深い愛と執着の証なのです。
この言葉が、物語全体の緊張感と官能の温度差を絶妙にコントロールしており、読み進めるほどにその真意が胸に刺さってきます。
