ゴミ溜めのガーネット

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ゴミ溜めのガーネット

発売日: 2026/07/23 | 著者: 犬野まげゆいし

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紫苑

「ゴミ溜めのガーネット」ってタイトル……もう設定だけで心臓持ってかれた。恋人編の先にある“過去の記憶”と“現在の愛情”の葛藤、ここが一番熱いところだよね。

過去を奪われた者と、未来を誓った者

本作は、太陽が苦手な吸血鬼の体を持つ沙羅と、彼をひたむきに愛する叶瑛の物語。ついに恋人となり、デートを計画したり四六時中甘やかしたりと、幸せな日々を描く“甘々編”の先が描かれます。

そんな二人の前に現れた沙羅の兄・ジョン。彼は人間だった頃の沙羅の学生証を差し出す。過去の記憶を完全に失っている沙羅が目を輝かせる一方、叶瑛だけは複雑な不安を抱えます。それは「記憶を取り戻すことで、今の関係が変わってしまうかもしれない」という恐怖です。

本作の軸は“記憶喪失”と“アイデンティティ”。恋人になっても、現れる課題は“過去”と“現在”の選択です。この重いテーマを、寡黙な溺愛青年×無邪気な半吸血鬼という対照的なカップリングで描く構成が、私は堪りません。

紫苑

伏線の貼り方が巧妙すぎる……。学生証というアイテムが、ただの思い出の品ではなく、二人の関係性を揺るがす爆弾になる。こういう“関係性の重さ”を描く作品に弱いんだよな。

見どころ

  • 「過去の記憶」と「現在の幸せ」のせめぎ合い:沙羅は無邪気に学生証を見つめるが、叶瑛はその裏でどんな不安と戦っているのか。記憶を取り戻すことで、今の二人の関係が崩れるのか。それともさらに深まるのか。この葛藤が物語の核であり、最も胸を打つポイントです。
  • “寡黙な溺愛”という表現:叶瑛は言葉数は少ないものの、その行動で沙羅への愛情を示します。デートの計画、四六時中の甘やかし……。そして記憶の影が差す中での、黙って沙羅を守ろうとする姿勢。セリフではなく、仕草や背景で伝える関係性の描写に、作者のこだわりを感じます。
  • 描き下ろしの濃密さ:単行本描き下ろしには「ごほうび下着えっち」13P。これは単なるサービスシーンではなく、二人が“未来を誓う”証です。記憶に怯える叶瑛が、身体で愛情を証明するシーンは、官能的でありながらも切なく、関係性の深さを物語っています。

こんな人におすすめ

  • ✅ 恋人が過去の記憶を取り戻すかもしれない、という葛藤を描いた作品が好きな方
  • ✅ 吸血鬼など人外設定とファンタジー要素がある、ホームドラマタイプのBLが好きな方
  • ✅ 寡黙で一途な攻めと、無邪気で守ってあげたくなる受けのカップリングが好きな方
紫苑

15年のキャリアの中で、ここまで“過去と現在の狭間”を真正面から描いた作品はそう多くない。まさにタイトル通り、ゴミ溜めの中で見つけた原石……いや、ガーネットだ。この重さが、愛おしい。
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