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悪役令嬢の「その後」から始まる、甘さとざわめき
本作は、転生した小説の世界で悪役令嬢としての役目を終えたロズリーヌが、隣国アースベルの王太子リオネルからプロポーズを受けるところから物語が動きます。結婚式まであと一週間という幸せの絶頂にいた彼女が、ある日見てしまったのは、前世で付き合っていた「最低最悪の元カレ」の夢でした。
ここが本作の面白いところで、単純な「ざまぁ」で終わらせず、前世の嫌な記憶と、今の甘い現実が同時に描かれる構成になっています。嫌な記憶を振り払うようにリオネルにたっぷり愛される時間が用意されている点も、読む側にとっては大きな安心材料になるはずです。
結婚式延期から始まる、静かな波紋
物語が動き出すのは、従者アンドレが馬車事故に遭い、一部の記憶を失ってしまったことです。ふたりは彼の回復を待つため、一週間後に控えていた結婚式を延期することを決めます。
さらに、事故を起こした馬車に乗っていた隣国の王女ソフィが現れます。治癒魔法を使えるソフィはアンドレの傷を治し、記憶が戻るまで王宮に滞在すると申し出るのです。リオネルのロズリーヌへの溺愛は変わらないものの、天真爛漫で愛くるしいソフィと並ぶ彼の姿に、ロズリーヌはなぜか切なさを覚えてしまいます。
そして、同じ光景を見つめていたアンドレもまた「……おかしいな」と呟く——というところで、読者は続きが気になって仕方なくなるはずです。誰の視点に、どんな感情が動いているのか。公開あらすじの段階では、その輪郭だけが提示されます。
こんな読者に刺さる作品です
- 悪役令嬢ものの「役目を終えた後」の物語を読みたい方
- 溺愛されながらも、ほんの少しの不安や切なさが混ざる関係性が好きな方
- 記憶喪失や前世の因縁といった、静かな波紋が広がる展開を好む方
リオネルの溺愛は変わらない、という安心感と、ソフィやアンドレの登場によって生まれる小さな揺らぎ。その両方を味わいたい人に向いています。前世の元カレという要素が、今の幸福にどう絡んでくるのか。公開情報からはまだ全貌が見えないぶん、余韻を楽しみながら読み進めたい作品です。





