ずっと前から愛でした【コミックス版】

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ずっと前から愛でした【コミックス版】

発売日: 2026/08/03 | 著者: 椛嶋ユウニ

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蓮

「…再会ものの構造は、時間の隔たりが感情のアンプになるという点で極めて興味深い。7年間の空白がもたらす心理的振幅を、まずは確認させてもらうとしよう。」

忘れ得ぬ初恋が7年の時を経て――再会が織りなす繊細な心理ドラマ

東京の上場企業で働く小椋遥太は、学生時代に突然音信不通になった初恋の先輩・八木智章を7年間想い続けてきた。故郷での姉の結婚式を機に帰郷した翌朝、夢にまで見た「トモ先輩」が目の前に現れる。手を伸ばせば触れられる距離での再会に、抑え込んでいた感情が静かに、しかし確実に溢れ出す。

本作は「愛が重くて甘いワンコ系後輩」である遥太と、「硬派で不器用なたじたじ系先輩」である智章の関係性を軸に、ノスタルジックな空気感で描くファーストラブの物語だ。再会を機に再燃する想いを、互いの立場や過去の喪失感とどう折り合いをつけていくのか。その心理の機微が丁寧に積み上げられていく。

蓮

「いや、待て。愛が重くて甘いとは書いてあるが、その『重さ』が真綿で首を絞めるような危うさと同時に、悍ましいほどの誠実さとして機能しているのが構造的に見事だ。」

時間の隔たりが生む、すれ違いと切実さ

あらすじで特筆すべきは、7年間の空白が描く「想いを伝えられなかった後悔」だ。「自分の『好き』ばかりを押し付けて、もう後悔するのは嫌だ」という言葉が示すように、遥太は過去の自分を反省しつつも、再び募る想いの前でどう行動すべきか葛藤する。大人になったからこそ見える、初恋の「罪深さ」と真摯さが同居している。

夢と現実が交差する、帰郷という舞台装置

「もし、また会えたら――」という願いが、姉の結婚式という具体的なイベントを介して現実化する流れは、偶然の再会ドラマに必然性を与えている。地元という過去の空間に戻ることで、青春時代の記憶と現在の自分がオーバーラップする。あらすじにある「肌の感触、匂いと声、触れた時の温度」という描写からも、記憶の鮮烈さが読み取れるだろう。

蓮

「…正直、7年間も想い続ける一途さに、文学研究の範疇を超えて俺は心を揺さぶられた。…個人的な感情ではなく、作品の構造評価として述べるなら、再会から感情が再点火する過程が実に綿密だ。ワンコ系の愛の重さが不器用な先輩の心をどう解いていくのか。研究としても、読者としても、極上の一品である。早く続きが読みたい…」
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