🎧 らぶカル TL/乙女ボイス
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言葉が通じない世界で生まれた、痛くて甘い愛の記録
獣人が人口の7割を占める惑星。そこで「人間の飼育」がひそかなブームになる世界観がもう、わたしの心を鷲掴みにして離さないんです。ペットショップで売られていたあなたが、子供への誕生日プレゼントとして子ウサギの獣人・ヨベルに贈られるところから物語は始まります。
「母さん見てる? 誕生日プレゼント、今日届いたよ! ずっと欲しかったんだぁ……――人間の女の子……っ♪」という、無邪気で純粋な喜びに満ちたセリフから始まるのに、次第にこの世界の違和感に気づいていくヨベル。人間と獣人では言葉が通じず、あなたの言葉は全て鳴き声に聞こえてしまう。それでも唯一、人間そっくりなヨベルだけには懐き始めるあなたとの、誰からも理解されない痛々しい愛の記録です。
「この世界の違和感に気づいた生き物が異常者だと糾弾されるなんておかしいよ」というヨベルの叫びが、もう切なくて。あなたのことを想えば想うほど、彼はこの世界の「普通」から逸脱していってしまう。心からの幸福は無いメリーバッドエンドストーリー。この背徳感と切なさの渦に、どっぷり浸かりたい人、絶対に刺さると思います。
歪んでしまった博愛主義者・ヨベルの深すぎる愛情
ヨベルはホーランドロップの獣人で、ランウェイモデルとして活躍する傍ら、人間の正当な権利を訴える団体「ヒューマニズム」の広告塔。でもその本心は「自分とあなたが誰からも否定されずに愛し合える環境が欲しいだけ」という、隠れ独善主義者なんです。あなた以外の人間には興味がないっていう執着の深さ、たまらないですよね。
モデルを目指したきっかけも、行方不明のあなたを見つけやすくするため。10年間ずっとペット用品を買い続け、思い出の写真や映像を眺めていたという一途さ。ふだんは温厚で感情を表に出さないのに、縄張り意識がとても強いっていうギャップにも胸がときめきます。養母から過度な教育を受けて育ったため、「自分の気持ちを相手に分かってもらうためには多少の痛みや躾が必要だ」と本気で思ってしまっているところが、彼の歪んだ愛情の根源なんでしょうね。
あなたの方は、ヨベルが自分のせいで周りから叱責される状況に心を痛め、「これ以上は飼い主の人生を狂わせたくない」と彼の元から逃げ出した過去を持つ。10年経った今も「もう自分のことは忘れて獣として幸せになってほしい」と願い続けている健気さ。お互いがお互いを想っているのに、言葉が通じないせいで歪んでいく関係性……このもどかしさが、もう切なくて仕方ないです。
「だぁいすき」の裏側にある、届かない想い
このセリフ、本当に心臓を掴まれます。ヨベルにはあなたの言葉が全て鳴き声に聞こえているのに、それでも「聞こえてるってば」と返す。つまり、あなたが何を言っているのかは分からないけれど、その声音や仕草だけで気持ちが伝わってくると信じているんですよね。言葉が通じないどころか、あなたの「忘れて獣として幸せになってほしい」という切実な願いも、ヨベルには「好きだ」という気持ちとして受け取られてしまう。
この世界で言葉が通じないのは人間と獣人の間だけで、でも「あなただけは?」という意味深な一文もある。もしあなただけがヨベルの言葉を理解できていたら、余計に逃げ出したくなる気持ちも分かる気がします。自分のことを想ってくれているからこそ、彼の人生を狂わせたくないって。お互いの愛情が、お互いを傷つけ合ってしまう。この歪で美しい関係性の行方を、ぜひその耳で確かめてほしいです。