📝 らぶカル TL小説
発売日: 2026/09/24 | 著者・イラスト: ジャク三世 | サークル: pH-tissue | 307P
あらすじの時点で「無言」と「すきすき」が並んでるの、ずるいのよね。静かな子が堰を切る瞬間って、どうしてこんなに胸にくるのかしら。
「いつか来る別れ」に備えたはずが、備えをひっくり返されるまでの静かな熱
本作は、年下のセフレ・小詠くんとむず痒い関係を続けるアラサー女性が主人公です。木曜日に彼と過ごす時間を身心の癒やしにしながら、いつか来るであろう別れに備えて婚活アプリを始めた——その選択が、穏やかだったはずの関係の均衡を崩していきます。
物憂げな雰囲気を持つ21歳の美青年・小詠くんは、元家出少年でフリーター。生活のために春をひさいでいた過去があり、外見絡みのトラブルから人間不信ぎみという背景を抱えています。信用している「あなた」の前でさえ、あまり喋らなかった彼。そんな彼が婚活アプリの存在を知った途端、豹変してしまうのです。
無言で激しく犯●れてしまう——けれど翌日、彼は謝りに来て、予想外の提案をしてきます。それが「恋人セックス」という言葉。すれ違っていた二人が、恋人になるまでを描くお話です。Hシーン×4、本文280ページ超、体験版は冒頭80p超というボリュームも見逃せません。
「喋らない子」の背景に、春をひさいでいた過去と人間不信があるの……。その子が唯一信用してる相手に向ける執着って、どれだけ深いのかしら。想像しただけで息が浅くなるわ。
「恋人セックス」という言葉が持つ、静かで切実な温度
「今日からは、貴女と、《恋人セックス》ってやつだけ、シたいんですけど……ダメ、ですか?」
この台詞の刺さりどころは、要求の強さではなく、その前置きの丁寧さにあります。「ダメ、ですか?」と確認を取る形をとっているのに、「今日からは」とすでに始まっている前提で語っている。この二重性が、彼の切実さをにじませるのよね。
小詠くんは元々、言葉にしない子でした。あらすじのキャラクター紹介でも「……やっぱりこういうの、言葉にしないとダメですよね」という台詞が添えられています。言葉にできないまま身体で繋がっていた関係に、初めて名前をつけようとしている。その不器用さが、すきすきという甘い言葉の裏にある本気を際立たせるのよね。
「恋人セックスってやつだけ」って言い方、すごくない? セックスはしてたのに「恋人」だけが無かった関係を、彼なりに定義し直そうとしてるのよ。この不器用な誠実さ、私はかなり弱い。深夜にひとりで読みたい一冊ね。





