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一度別れた二人が、もう一度「暮らす」を選ぶまで
『ロスタイムに餞を Home and Away』は、美容師の尽と小説家の桐生という同棲中の元サヤカップルを描くBLボイス作品です。生活習慣や価値観のズレから一度は別れを決意した二人が、離れて互いの大切さを痛感し、尊重し合いながら再び一緒に過ごしている——という関係性が軸になっています。
本作を他と分けるのは、恋の始まりではなく「戻った後の日常」から物語が動く点です。目が覚めて隣に相手がいることを、どうしようもなく幸せだと感じる。その穏やかさを土台にしながら、桐生の母から届いた手紙を機に、親へのカミングアウトという現実的な課題が二人の前に浮かび上がります。
カミングアウトを巡る、二人の温度差
物語の転機となるのは、桐生が過去の出来事から、母に恋人が同性であることを伝えられずにいるという設定です。伝えたい気持ちと伝えられない理由を抱える桐生に対し、尽がとった行動が物語を動かしていきます。尽は真面目で世話焼き、誰とでもすんなりコミュニケーションを取れるタイプ。一方の桐生は自由気ままでマイペース、交友関係も広く飲み会が好きという、対照的な性格の二人です。
この性格差は、カミングアウトという繊細な題材においても、二人の反応の違いとして表れてくるはずです。世話焼きな尽がどこまで踏み込むのか、マイペースな桐生がどこで立ち止まるのか。同棲生活の何気ない会話の延長に、家族という外部が加わったとき、関係がどう揺れるのかが見どころになります。
声で描かれる、同棲の距離感
尽役を小林千晃さん、桐生役を増田俊樹さんが演じます。全六話に加え、ハイライト、番外編エキシビション、番外編memories、そして小林千晃さんと増田俊樹さんによるフリートークが収録されています。本編で積み上げた関係性を、番外編で別の角度から眺められる構成です。
同棲中のカップルを描く音声作品では、会話の間合いや声の距離そのものが、二人の関係の成熟度を伝える要素になります。生活習慣のズレを乗り越えてきた二人だからこそ、言葉にしない部分のニュアンスに、関係の歴史がにじむのではないでしょうか。
こんな人に届いてほしい
一度関係が壊れた経験のある二人が、それを踏まえて再び隣にいる。そんな「戻ってきた関係」の機微を味わいたい人に向いています。派手な事件よりも、生活のディテールと家族という現実的なテーマを通して、二人の愛情の形を見届けたい方に馴染む作品です。フリートークまで含めて、演じ手の掛け合いも楽しみたい方にも。
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