📖 らぶカル TL漫画
発売日: 2026/09/17 | 著者: 鬼遍かっつぇ | サークル: Mauve | 32P
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あらすじ読んだ瞬間、背筋がすっと涼しくなるのよね。夏休み、祖父母の家、いなくなった’おにいちゃん’。この静かな導入だけで、もう私の心は持っていかれました。
「いない」から始まる夏の記憶をたどる物語
『おはちさんのなつやすみ』は、毎年夏休みの終わりに祖父母の家へ遊びに行くのが恒例だという「私」の視点で描かれるTL漫画です。しかし今年は、その恒例に気が乗らない。理由はただひとつ、’おにいちゃん’がいなくなってしまったから。彼は本当の兄ではないけれど、優しくて強くて温かくて、主人公にとって大好きな存在だったのです。
「ちーちゃん」と呼ぶ声が聞こえる。けれど、そう呼ぶのは’おにいちゃん’だけ。きっとどこかにいるはず——その想いを手がかりに、主人公は彼の家へと向かいます。夏の終わりの郷愁と、大切な人を失った喪失感、そして「まだどこかにいる」という微かな希望が重なる導入。ホラーやオカルトの気配をまとわせながら、幼なじみとの記憶を辿る静かな旅路が始まります。
「ちーちゃん」って呼ぶ声が聞こえるのに、呼んでいる本人はいない。この構図だけで、もう切なくて切なくて。夏の夕暮れみたいな、ノスタルジーと物悲しさが混ざった空気がたまらないのよね。
見どころ
- 「いない」人の気配を追う、静かなホラーと郷愁のブレンド:夏休みの祖父母の家という懐かしい舞台に、’おにいちゃん’が消えたという喪失が重なる。ホラー回避Verが用意されている点からも、じっとりとした恐怖の質感が本編に漂っていることがうかがえます。懐かしさと不穏さが同居する空気は、大人の読者ほど沁みるのよね。
- 本当の兄ではない「おにいちゃん」という距離感:血のつながりはないけれど、優しくて強くて温かい。この絶妙な関係性が、主人公の執着にも似た想いを生んでいます。幼なじみという言葉では括りきれない、近くて遠い二人の時間がどんな形で描かれるのか、ページをめくる手が止まらなくなりそう。
- 全32ページに凝縮された、夏の終わりの密度:本文32ページに加え、ホラー回避Verや過去絵のおまけも収録。コンパクトながら、主人公の一人称視点で進む物語は、読後にもじんわり余韻が残るタイプ。夏の夜にひとりで読みたくなる、そんな一冊です。
こんな人におすすめ
- ✅ 夏の終わりや郷愁をまとった、少しひやりとする物語に惹かれる方
- ✅ 血のつながらない「おにいちゃん」との、言葉にしきれない距離感と執着を味わいたい方
- ✅ 短編ながら、読後にじんわり余韻が残る女性視点のTLを探している方
正直ね、あらすじだけでこれは「当たり」だって思ったのよ。派手な展開はないかもしれない。でも、「いないおにいちゃん」を探す夏の旅路って、静かな執着の塊じゃない? 私みたいに、甘さの下にある切実さを拾いたい人間にはたまらないのよね。32ページにどれだけの喪失と希望が詰まっているのか。夏が終わる前に、そっと開いてみたくなる一冊です。





