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「いっそ一織が結婚してくれたらいいのに」から始まる、こじらせ両片想い
『Cuddle』は、実家が隣同士で生まれた時からの幼馴染み、あなたと一織の関係が動き出す瞬間を描く乙女向けボイス作品です。お互い素直になれないまま「幼馴染み」という枠に収まってきた二人が、酔った勢いの一言をきっかけに、その枠の揺らぎを意識し始めます。売り言葉に買い言葉の掛け合いができるほど仲が良いのに、恋人にはなれない。その距離感が本作の軸です。
一織という男の輪郭――不愛想な店主と、隣にいるカメラマン
綿貫一織(26歳・CV.猿飛総司)は、個人で小さな雑貨屋『apple bear』を営む男性です。手先が器用で、子どもの頃から簡単なぬいぐるみを自作していたというエピソードが紹介されています。不愛想で口も悪いとされますが、それはあなたに対して素直になれないだけで、根は優しい人物と位置づけられています。
ヒロインであるあなた(26歳)は、雑誌などでアイドルやモデルを撮影するフリーのカメラマン。小さい頃から可愛いもの、特にぬいぐるみが大好きで、撮影の小物用にとよく一織の店で買い物をしています。仕事の接点と幼馴染みの距離感が、同じ場所で重なっている関係です。
家族ぐるみの「将来結婚するんでしょ?」が、二人を縛ってきた
二人は家族ぐるみで仲が良く、小さい頃から両親に「二人は将来結婚するんでしょ?」とからかわれてきたと紹介されています。実は小さい頃からの両片想いでありながら、仲が良すぎるせいで素直になれず、大人になってしまった——という背景が本作の前提です。
冒頭の状況も、その延長線上にあります。一織の家での二人飲みの最中、両親からの「恋人は?結婚は?」という言葉にうんざりしたあなたが、酔った勢いで「いっそ一織が結婚してくれたらいいのに」と口走ってしまう。冗談でもそういうこと言うな、と受け流そうとする一織に、あなたは「そんなことない」と呟く。すると、ほんの少し声のトーンが変わる。そして「……じゃあ聞くけど。お前、俺と恋人っぽいことできんの?」——例えば、キスとか。関係が少し揺らいで、また静止する。この往復が、本作の出発点です。
トラック構成から見える、関係がほどけていく順序
収録トラックは全8本。タイトルは順に「apple bear」「幼馴染み」「例えば、キス」「揺らいで止まる」「これで二回目」「恋人」「ハジメテ」「りんごジャムとココア」と公開されています。店の名前から始まり、幼馴染みとしての日常、キスの話題、関係の揺らぎ、そして「恋人」という言葉と「ハジメテ」へと続く並びになっています。
- 「apple bear」「幼馴染み」——店と幼馴染み、二人の日常の土台にあたる部分
- 「例えば、キス」「揺らいで止まる」——恋人っぽいことの提案と、関係が動きかけて止まる瞬間
- 「これで二回目」——何が二回目なのかを含め、タイトルからは関係の続きがうかがえます
- 「恋人」「ハジメテ」——関係の名前が変わる地点と、その先
- 「りんごジャムとココア」——日常の食卓に戻っていくような、締めくくりのタイトル
あらすじには「これまでどれほど大切に想われていたのかを実感する」とあり、長年の両片想いが変化したとき、これまで見えていなかった想いの大きさに気づく流れが示されています。素直じゃない二人が、言葉にできなかった分をどう受け取っていくのか。タイトルの並びと合わせて、そこが気になる構成です。
こんな人に合いそう
幼馴染みという近すぎる関係のまま、両片想いを長くこじらせてきた二人の変化を追いたい人に向いています。学生ではなく26歳の大人同士であること、家族ぐるみのからかいが背景にあること、そして不器用な相手の想いが後からじわじわと伝わってくる構成であることが、本作の判断材料になりそうです。日常の延長にある店や食卓の描写が軸にあるため、派手な事件よりも、関係の機微を静かに味わいたいときに合う作品といえます。
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