📝 DLsite TL小説
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嗅覚外来の訓練室で、帰る場所を確かめながら戻るという設定
本作は、嗅覚外来の訓練室を舞台にしたTL小説です。喫茶店主の大鹿茉里30歳が、冬の風邪のあとでコーヒー豆の匂いを遠く感じるようになり、嗅覚の訓練のために通い始める——という導入から始まります。担当するのは、嗅覚外来の医師・桂木道彦59歳と、院内で香料を調える技術者・亀岡光晴55歳。ヒロインと二人の男性という、年齢差のある関係性が物語の軸にあります。
この作品を他と分けるのは、訓練の手順そのものが物語の骨格になっている点です。一日四度、決まった香りを短くかぐ。香料を届ける業者は勝手口の外に箱を置いて帰り、部屋には三人しかいない。その閉じた空間で、茉里自身が廊下へ続く扉を開けたままにし、「帰れる」と確かめてから椅子に座り直す。誰かに閉じ込められるのではなく、自分で開けたままにして、それでも戻る。この往復の描写が、作品の中心にある設定としてあらすじに明示されています。
医師と技術者、二人の役割の違いが生む空気
桂木は「黙る側」、亀岡は「説明する側」と紹介されています。桂木は扉を閉めず、帰るかどうかを毎回本人に委ねる。亀岡は何をどの順でかがせるかを先に全部言い、言った順を崩さない。一人は沈黙で、一人は言葉で、茉里の選択を囲むように配置されているのが分かります。
二人とも五十代で、ヒロインとは年齢が離れています。若い相手に振り回されるのではなく、落ち着いた大人の男性が、手順と沈黙で場を整えていく。その静けさの中で、茉里の息が灯の低い唸りや空調の音に混ざって、どれが自分の息かわからなくなる——という感覚の描写が、あらすじでは焦らしの段階として置かれています。
作品の仕様と、読む前に知っておきたいこと
本文は約1.9〜2.1万字、全10章構成の横書きPDF(全57ページ)です。体験版は第1章〜第2章で約4,453字。導入の着衣の場面から、一日四度の訓練の手順と扉の確認、香りと音に息が混ざる焦らし、帰れると確かめたうえで椅子へ戻る踏み越え、そして背中を預けたまま二人に順に奥へ種付けされる場面へと、段階を踏んで進む構成だと案内されています。帰り道に茉里が店の窓を開けなかった、という余韻まで含めて一つの流れになっているようです。
本作はR18の成人向け作品です。登場人物はすべて成人で、訓練室に十代の者は出入りしません。作中の性行為は成人どうしの合意にもとづくものと明記されています。また、嗅覚障害の嗅覚刺激療法を題材にしたフィクションであり、現実の医療機関や訓練、有資格者とは関係がないこと、作中の香料は嗅覚訓練に用いる基準の匂いで判断力や意識に作用するものではないことも注意事項として示されています。医療ものの空気をまとった作品ではありますが、あくまでフィクションとして楽しむ作品だと分かったうえで手に取るとよさそうです。
大人の落ち着いた関係性を読みたい方、閉じた空間で静かに進む焦らしの空気を味わいたい方に向いています。ヒロインが自分で扉を開け、自分で戻るという選択の描き方が気になるなら、体験版で第1章から確かめてみるのも一つの手です。
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