📝 らぶカル TL小説
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七年間の“所有”と“愛”が同居する、主従関係の甘い罠
まず何より、タイトルが最強です。『素直じゃない駄犬が、べしょべしょに泣きながらご主人様に愛を再びと乞う話』。もうこの時点で、どんなお話かが手に取るように分かってしまう。素直じゃない彼が、べしょべしょに泣きながら愛を乞う。その未来を約束されたようなタイトルに、読む前からときめきが止まりません。
主人公は公爵令嬢のエレアナ。七年前にイストを気に入り、『自分のものにした』側仕え兼恋人候補。彼女は偏頭痛持ちで素直じゃないイストを、母親譲りの愛で方で可愛がり、穏やかな日々を過ごしていました。この『母親譲りの愛で方』という表現が、彼女の愛情の質を物語っています。押し付けがましくなくて、まるで陽だまりみたいな愛。それを素直に受け取れないイストの不器用さも、また愛おしい。
しかしある日、学園で難しい顔をしたイストと、その横にいる可愛らしい男爵令嬢を目撃します。そこで彼と決別することになり、エレアナは失恋の悲しみを乗り越えて前を向こうとする。けれど、物語はここから始まるのです。一度手放した『自分のもの』が、今度はどうやって彼女の元へ戻ってくるのか。その過程を想像するだけで、胸がきゅっとなります。
『自分のものにした』と『愛している』が同時に胸に刺さる理由
この一文に、エレアナの愛のすべてが詰まっている気がします。『自分のものにした』という言葉には、所有欲にも似た強い独占欲がにじむのに、続くのは『愛している』というまっすぐな告白。誰かを手放したくないと思う気持ちと、その人の幸せを願う気持ちが、彼女の中で何の矛盾もなく同居しているのです。しかも『七年前』という時間が、この関係が一時の気まぐれではないことを教えてくれます。
七年前からずっと、彼を大切に育てるように愛してきた。その愛情の深さが、この短い一文からじんわり伝わってきます。一方で、その愛情を受け取りながらも『厭うている』イストの視線が、この後の決別へどう繋がっていくのか。読んでいるこちらまで、切ない気持ちになります。