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奪われるはずが、奪ってしまう――逆転の魔力譚
本作は、宮廷薬師として生きるリリアと、わずか3年で強大な魔力を手にした幼馴染の第一王子リオネルの物語です。リリアは魔力が弱すぎて、何年修行しても簡単な薬すら作れない落ちこぼれ。それでも父のような偉大な宮廷薬師を目指して努力を重ねてきました。
そんな彼女の前に、魔法に興味すらなかったはずのリオネルが、驚異的な魔力を得て帰還します。自分はこんなに努力しているのに、なぜ彼だけが……という悔しさと疑問が、リリアを王子の私室へと駆り立てるのです。しかしそこで待っていたのは、リオネルからの冷たい視線。リリアには覚えのない恨みをぶつけられてしまいます。
「リリアせいで僕はあんなおぞましい修行を受けるはめになったんだ」という言葉の意味も分からぬまま、リオネルに強引に身体を弄られ、抗う間もなく媚薬を飲まされてしまう。体の自由を奪われ、敏感になった身体に快楽の渦が押し寄せる――。しかし、その瞬間、リリアの中で「なにか」が目覚めます。襲われていたはずが、気が付けば自らリオネルの上に跨がり、激しく腰を振り始めていたのです。
なぜリオネルはリリアを恨んでいるのか、リリアの中で目覚めた「なにか」とは何なのか。タイトルにある「奪われた魔力」と「奪うくちびる」の意味も含めて、謎が深まる第1話です。本巻単体では完結せず続編へ続く構成なので、今後の展開が気になる方はぜひ続きもチェックしてみてください。
対照的な二人が織りなす、ねじれた関係性
リリアは、魔力が弱くても夢を諦めない努力家です。父のような偉大な宮廷薬師になることを目標に、何年も修行を続けてきました。そんな彼女のひたむきさが、読者の共感を呼ぶでしょう。一方のリオネルは、魔法に興味すらなかったのに、わずか3年で強大な魔力を手に入れた才能の持ち主です。
二人は幼馴染という関係でありながら、リオネルがリリアに対して「おぞましい修行」と言うほどの強い恨みを抱えています。しかしリリアには心当たりがなく、会話が噛み合わないもどかしさが物語に緊張感をもたらします。努力する者と才能に恵まれた者がなぜ対立するのか、その背景にはどんな事情が隠されているのでしょうか。
リオネルは傲慢で強引な王子様。リリアに媚薬を飲ませ、身体を弄ぶ姿は、まさに「無理矢理」な展開です。しかし、リリアの中で「なにか」が目覚めた瞬間から、力関係が逆転するのです。襲われるはずだった彼女が、自らリオネルの上に跨がり激しく腰を振る――その光景は、支配と被支配が揺らぐスリリングな関係性を予感させます。二人の間にある誤解や恨みが、どう溶けていくのかが見どころです。
「なにか」が目覚める瞬間――運命が動き出す
この言葉は、リオネルのリリアに対する恨みの核心を突いた一文です。彼はリリアのせいで、とんでもなく過酷な修行を強いられたと語っています。しかし、リリア本人には全く心当たりがありません。この認識のズレこそが、物語の謎を深める鍵となっています。
リオネルが「リリアのせい」と恨むほど、二人の過去には何があったのでしょうか。彼が魔法に興味を持たなかったのに、わずか3年で強大な魔力を手に入れたことと関係しているのかもしれません。そして、リリアが媚薬を飲まされて快楽に溺れる中で目覚めた「なにか」――それは彼女に眠る特別な力なのか、それとも別の何かなのか。この一文をきっかけに、二人の因縁とリリアの秘密が少しずつ明かされていくのでしょう。
表向きは「傲慢王子に無理やり奪われた」はずのリリアが、逆にリオネルを奪ってしまう展開。タイトルに込められた意味が、この一文からより深く感じられます。リオネルの恨みの真相が明らかになったとき、二人の関係がどんなふうに変わっていくのか、続きが待ち遠しいですね。
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