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名前のない関係の上に、歪んだ愛が静かに降りてくる
伊従と朔は、付き合ってはいないけれど体の関係にある。互いに「一緒にいられればずっと幸せ」だと信じている。その言葉だけを聞けば、穏やかな日々のように思えるわ。けれど、そこには名前も約束もない。あるのは二人だけの暗黙の均衡。
そんな関係の前に、突然、社会人アリスが現れる。アリスは二人の致命的な弱みを握り、秘密の暴露をちらつかせる。恐怖で雁字搦めになった二人は、アリスの歪んだ愛に弄ばれる日々へと堕ちていく。あらすじだけで、逃げ場のなさがひしひしと伝わってくるのよね。
「付き合っていない」「体の関係」「弱みを握られる」「歪んだ愛」。この並びだけで、もうこの作品が甘いだけのラブストーリーではないとわかる。むしろ、甘さの裏に隠された支配と依存の話よ。収録は1話から6話、さらに描き下ろし漫画5Pというボリュームも嬉しいところ。
名前のない関係が抱える、静かな危うさ
伊従と朔は付き合っていない。でも体の関係はある。この設定がまず効くのよね。恋人という形にしていないぶん、守りが薄い。二人が「ずっと一緒にいられれば」と信じているのは、関係の危うさから目を逸らしているとも取れる。
だからこそ、アリスに弱みを握られたときの崩れ方が想像できてしまう。守るべき名前がないまま、二人は秘密を抱えて縮こまる。その姿は、甘いどころか苦しい。でも、この苦さが読みたくなる理由でもあるのよ。形容しがたい危うさが、あらすじの一言で立ち上がってくるんだもの。
外から来る支配者が、関係を歪めていく
アリスは社会人で、二人の外側にいる存在。内側で完結していたはずの関係に、外から手が伸びてくる。これが「第三者が秘密を握る」という構図の何とも言えない薄ら寒さよ。暴露の恐怖をちらつかせながら、歪んだ愛で弄ぶ。その支配は暴力ではなく、静かにじわじわと絡みつく種類のもの。
恐怖と愛が混ざった支配は、読む側の感情もどこに置いていいかわからなくさせる。だからこそ、この作品はただのラブストーリーでは終わらないのよね。1話から6話、そして描き下ろし5Pで、二人の関係がどこまで歪んで、どこで踏みとどまるのか。そこを見届けたいと思わせられるあらすじよ。




