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発売日: 2026/09/18 | 著者: 藤森イチカ
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署長とのただれた関係……からの新人巡査。これ、来る匂いがする。年の差も執着も年下も全部乗ってる。あたし今、静かに震えてる。
酒に溺れる男と、まっすぐな新人が交わる瞬間
鷺沼怜は警部でありながら、親ほど年の離れた署長とただれた関係を続けています。酒に溺れ、思い悩む日々。そんな彼のもとに、新人巡査の笹塚全が配属されます。明るく優秀な笹塚に感化され、鷺沼は前向きに仕事をこなすようになっていきます。
そして鷺沼は、笹塚に本音を吐露してしまう。なぜ彼にだけ気を許してしまうのか――。そこに浮かぶのは、依存とも信頼ともつかない危うい感情の揺れです。署長という逃れられない過去と、笹塚というまっすぐな現在。ふたつの軸のあいだで揺れる鷺沼の姿が、作品全体の緊張感を形づくっています。
「なぜ彼にだけ」……この一文で全部持っていかれた。限定された相手にだけ緩むやつ、あたしの中の何かが確実に反応してる。
親ほど年の離れた相手との、逃れられない関係
鷺沼が署長と持っているのは、対等な恋愛とは異なる種類の関係です。年の差、立場の差、そして「ただれた」という言葉が示すように、そこには健全さよりも執着や依存の色が濃く漂います。酒に溺れ思い悩むという描写からも、その関係が鷺沼を蝕んでいることがうかがえます。
この設定が効くのは、単なる過去の因縁ではなく、現在進行形で鷺沼を縛り続けている点です。抜け出したいのに抜け出せない。そんな膠着状態の人物が物語の起点にいるからこそ、その後に訪れる変化に重みが生まれます。
新人巡査・笹塚全という存在がもたらす変化
笹塚は明るく優秀な新人巡査として配属されます。その存在に感化されて、鷺沼は前向きに仕事をこなすようになります。ここで重要なのは、笹塚が鷺沼を「更生させる」ために現れたわけではないという点です。あくまで自然体の明るさと優秀さが、結果として鷺沼の日常を変えていく。
そして鷺沼は笹塚に本音を吐露します。「なぜ彼にだけ気を許してしまうのか」という問いが、この関係の核心です。理屈では説明できない惹かれ方が、物語の推進力になっています。
あたしこういうの待ってた。救済でも矯正でもなくて、ただ隣にいる人が眩しくて、気づいたら心の内側を明け渡しちゃってる。もう、それだけで読む理由になる。合本版で一気に読めるの、ありがたい。作者さんの感情の描き方、絶対刺さる。




