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見張るはずの探偵が、対象の男にペースを崩されていく
本作は、森山探偵事務所の新人探偵である「私」が、初めて任された浮気調査に挑むTL小説です。調査対象は、パチンコ・競馬・競輪と博打三昧の日々を送り、金持ちの女に飼われているヒモ・有原秋。尾行を続けるうちに、その男が喫茶店で「俺の調査やめてくんない?」と目の前に現れる——というのが物語の入口です。
「私」は26歳。学校でいじめられて以来、十年間引きこもっていた過去を持ち、外へ連れ出してくれた叔父に報いたい一心で調査に臨みます。人懐っこい笑顔と軽い口調で誰とでもすぐ距離を詰める有原に対し、見張っていたはずの側が巻き込まれていく。調査という立場の非対称が、物語のなかでじわじわと揺らぐ構図が特徴です。
叔父への恩返しと、絶対に知られたくないという秘密
「私」を動かしているのは、居場所をくれた叔父・森山隆への恩返しです。所長である隆は、無精髭に丸眼鏡、猫背の冴えない見た目ながら、必ず浮気の証拠を掴む蛇のような調査力を持つ人物。そんな叔父に認められたいという思いが、調査を続ける原動力になっています。
一方で、有原にペースを崩されていくうちに、「叔父さんには、絶対に知られたくない」という感情が生まれます。あらすじでは、ただの調査では済まなくなっていく様子と、「最低な男だと分かっていて、一番堕ちたのは私」という一文が示されています。恩返しのための調査と、隠したい秘密。その二つが同じ人物の中で同居していく展開が、本作の読みどころとして提示されています。
有原秋という男の、笑顔の裏
有原秋は20代前半。人懐っこい笑顔と軽い口調で、誰とでもすぐ距離を詰める女慣れした男ですが、あらすじでは「ただし、目だけは笑っていない」と記されています。軽薄なヒモという表の顔と、その裏に覗くものが並べて描かれている点は、作品の人物像を掴むうえで外せません。
「探偵さんってさ、もっと怖い人が来ると思ってた」という言葉も、あらすじに収められています。調査対象が調査する側を値踏みするようなこの一言から、二人の距離の詰まり方が見えてきます。軽さの下にあるものが何なのかは、本編で確かめることになる部分です。
メリバと知ってから読む、という選択
本作は注意書きに「この作品はメリバです」と明記されています。あらすじの「一番堕ちたのは私」という語りと合わせて、読む前にある程度の心構えがいる作品だと言えます。甘いだけの展開を求めている場合とは、向き合い方が変わってくるかもしれません。
また、表紙にAIイラストを使用していること、pixivに掲載されているサンプルは本編と繋がっていないことも明記されています。サンプルの雰囲気と本編の展開は同一ではないため、購入前にあらすじと注意書きを確認しておくと安心です。
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