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▶ 『札を裏に返した夜だけ入っていいと規則を書いたのは私で旅館の布団部屋の干したての熱に沈むたび若旦那の執着で奥まで種付けされ布団の角に赤い糸が残っていた話』の試し読み・お得なセール状況をチェック!
「入っていい」を決めたのはわたし、守り方を決めたのは彼
海沿いの老舗旅館に住み込んで四年。森本朋代(28歳)は三十室の床延べと床上げの段取りを組む仲居です。夕方に取り込んだ布団は日なたの熱を抱えたまま布団部屋に積まれ、夜更けの見回りのあと、その山に身を横たえると体が熱に負けて沈んでいく。そんな彼女が段取り板の隅に書いた一行の規則――「札を裏に返した夜だけ、入っていい」。これを見せた相手は、旅館の跡取りである若旦那の宮崎尚紀(31歳)ただ一人です。
この作品を他と分けるのは、規則を提案したのがヒロイン自身でありながら、その規則がどう守られるかを決めているのが彼のほうだという構図です。翌朝、寝ていた布団の一枚の角に赤い糸が一針通っている。それから糸のある布団を探すことが床上げ前の仕事になる。けれど繁忙の週は朝いちばんに布団を積み替えるため、糸の付いた一枚が先に客間へ運ばれ、どの夜のものか分からなくなる。札を裏に返して深く眠ったのに糸がどこにも無い朝もあり、彼は来て、何もせずに戸を閉じていったのだといいます。
赤い糸が「その夜」の証になる
布団の綴じに使う赤い糸を、尚紀はいつも袂に入れています。糸は単なる目印ではなく、どの夜に彼が来たのかを後から示す唯一の証。逆に言えば、糸が無い朝は「来なかった」のではなく「何もせずに戸を閉じた」夜だったと読めるわけです。彼女が探しているのは布団ではなく、彼の執着の痕跡なのだと、あらすじからはそう読めます。
そしてある夜、朋代は札を返して起きたまま待ちます。布団の熱が冷めていくのと入れ替わりに、執着を隠さない彼を自分の順番で迎え入れる――受け身のまま熱に沈むのではなく、待つ側から迎える側へ。二人のあいだの主導権がどこで移るのか、そこが本作の読みどころになりそうです。
こんな人に合いそう
- 「規則」や「約束」が二人だけの合図になっていく関係性が好きな方
- 年上ヒロインと年下……ではなく、年上攻めの若旦那の執着を、ヒロイン一人称で追いたい方
- 静かな旅館の夜と、布団・糸といった生活の手触りがある官能描写を味わいたい方
- 最後は迎え入れる側に回る、関係の変化を読みたい方
ヒロイン一人称視点・全10章・約2.0〜2.2万字のR18作品です。登場人物はみな二十歳を超えた社会人で、未成年は登場しません。本作は事前の取り決めを前提とした就寝中の性行為を題材にしたフィクションであり、現実の無断の行為を肯定するものではない旨が明記されています。購入・閲覧は18歳以上の方に限られます。
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