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「好き」が言えない関係の、甘くて苦しいライン
本作は、フリーターの朝日奈を主人公に据えたBL漫画です。朝日奈は特定の恋人を作らず、「ヤりたい時にヤる」という奔放な性生活を気楽に送っていました。ところが、最近になって好きな人ができます。相手は勤務先のカフェの後輩・月森。しかも現セフレという、逃げ場のない立ち位置です。
さらに月森には彼女がいるらしい。それでも朝日奈はこの関係をやめられずにいます。理由はシンプルで、ベッドの上での月森が普段のクールな印象からは考えられないほど熱く、エッチで、甘いから。だから「好き」の気持ちは絶対にバレないようにしていた——というのが、本作の出発点です。
タイトルにある「不器用だけど、甘すぎる」という言葉が、そのまま関係性の輪郭になっています。恋人でもない、けれど他人でもない。その中途半端な距離で、片思いの熱だけが一人だけ燃えている。そんな危うさが全編に漂う作品です。
現セフレ×後輩という、逃げ場のない関係性
朝日奈と月森の間にあるのは、恋人でもなければ、ただの割り切りでもない「現セフレ」という関係です。特定の相手を作らないと決めていた朝日奈側のスタンスと、彼女がいるらしい月森側の事情が、二人の間に二重のブレーキをかけています。それでもやめられない、という時点でもう、この関係は気楽なものではなくなりつつあるわけです。
先輩と後輩という上下関係も、この作品では単なる記号で終わりません。勤務先のカフェという日常の場と、ベッドの上という非日常の場で、二人の顔つきが変わる。その落差こそが、朝日奈の「好き」を静かに、でも確実に育てていく構造になっています。
クールな後輩が、ベッドの上でだけ甘くなる
あらすじで一番刺さるのは、月森のギャップの描き方です。普段はクールな印象の後輩が、ベッドの上では「熱くて、エッチで、甘い」と明言されている。この温度差が、朝日奈をこの関係から離れさせない理由として、はっきり機能しています。
そして厄介なのが、その「甘さ」が朝日奈の片思いを加速させてしまう点です。優しさでも、愛情でもない、けれど確かに甘い時間。その甘さが本物なのか、それとも関係性がそうさせているだけなのか。読者側も判断を保留されたまま、二人のやり取りに引き込まれていきます。





