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発売日: 2026/09/11 | 著者: 紺原つむぎ / tsugumi
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5年越しの再会で、忘れられなかった相手から逃げようとするのよ。しかも誘惑して置いていこうとするなんて……その発想だけで、もう読むしかないわ。
一夜の記憶が、5年後の縁談の前に立ちはだかる
伯爵令嬢アデルは、5年前に一夜を共にした異国の青年フェイロンを忘れられないまま、長い時間を過ごしてきました。けれど区切りをつけるために、彼女は縁談を受け入れることを決めます。ところが、まさにその矢先にフェイロンと再会してしまう。静かに幕を下ろそうとしていた恋の記憶が、彼の登場によって一気に現在へと引き戻される構成になっています。
再会したアデルが選んだのは、逃げるでも縋るでもなく「今度は私が彼を置いていこう」という逆転の発想です。初恋を終わらせるための復讐として、彼を誘惑する。焦がれる想いを抱えたまま、あえて自分から動く。受け身では終わらないヒロインの意志が、単なる再会ものとは違う緊張感を生んでいます。
そしてフェイロンは、ミステリアスで危険な皇子。5年前に姿を消した理由も、今に至るまでの空白も、あらすじの段階では明かされません。ただ「何度、記憶のあなたで自分を慰めたか」という言葉だけが提示される。この一言が、彼の側にも5年間の欠落があったことを静かに示していて、読む前から行間に熱を感じさせるのです。
置いていかれる側だった彼が、今度は追われる側になるのかしら。その立場の反転だけで、もう胸がざわつくのよね。
見どころ
- 5年という空白の重さ:一夜だけの関係を、アデルは5年もの間忘れられずにいます。その時間の長さが、単なる初恋ではなく、人生の一部になってしまった想いであることを物語っています。忘れるための縁談という選択にも、彼女なりのけじめが滲みます。
- 「誘惑して置いていく」という逆転の構図:忘れさせてほしいと願うのではなく、自分から誘惑して終わらせようとする。復讐という言葉を借りた、切実な決別の試みです。この能動性が、受け身の再会ものとは違う読み味を生みます。
- フェイロン側の執愛の示唆:「何度、記憶のあなたで自分を慰めたか」という言葉が、彼もまた5年間アデルを抱えていたことを示します。長い舌での愛撫や奥深くに熱を受け入れる情事の描写とともに、執着が情事の熱量へと直結していく流れが見どころです。
こんな人におすすめ
- ✅ 一度離れた相手との再会で、お互いの5年間が噛み合わないもどかしさを味わいたい方
- ✅ ヒロインが受け身ではなく、自分の意思で関係を動かそうとする物語を読みたい方
- ✅ 身分差のある相手からの執着が、情事の熱として丁寧に描かれる作品を探している方
一夜の記憶を5年も抱えて、やっと再会したのに「終わらせよう」と動くのよ。その切なさと強さが同時に来るのがたまらないわ。誘惑のつもりが、お互いの執着を呼び覚ましていく流れになりそうで……。静かに読みたい夜に置いておきたい一冊なのよね。





