当て馬同士の私たちが運命の恋に落ちるまで

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当て馬同士の私たちが運命の恋に落ちるまで

発売日: 2026/08/21 | 著者: 天衣サキ / 深山キリ | 出版社: 天海社 | レーベル: LUNA文庫

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桃香

あらすじ冒頭から心臓を鷲掴みにされたんだけど……婚約破棄の瞬間に、もう一人の「当て馬」がいるって、この時点で運命の悪戯の匂いしかしないのよね。

運命の恋に落ちた二人の「当て馬」同士が選ぶ、予想外の結末

社交界デビューの日に婚約者フランがアマンダという美しい令嬢と愛を誓い合う場面を目撃してしまう侯爵令嬢ロザリー。普通なら修羅場必至の状況に陥るはずなのに、彼女は「恋は理屈ではなく、ある日突然落ちるもの」という本で得た知識に従い、自分が二人の障害になるならば円満に婚約を解消しようと決意します。

しかし事態は単純ではありません。アマンダには公爵家嫡子で近衛騎士のレオニールという婚約者がいたのです。つまり、ロザリーとレオニールの二人は、恋人たちの「当て馬」にされていたわけで、互いに傷を負った者同士という構図が浮かび上がってきます。

ロザリーが閃いたのは「二人を結ばせるには、レオニールにアマンダとの婚姻を諦めてもらうしかない。ならば自分がレオニールの伴侶になればいい」という逆転の発想。三か月の猶予を得た彼女は、自分がレオニールの伴侶にふさわしいことを証明するための奮闘を始める——というのが本作の流れです。

傷を負った二人が、打算から始まった関係をどう育んでいくのか。あらすじから漂う静かな熱量に、すでに心を持っていかれています。

桃香

「あなたの人生のパートナー……私じゃダメかしら?」って、この申し出が打算から始まったとしても、裏にどれだけの覚悟が潜んでるのかと思うと、もうたまらないのよね。

傷を負った二人が紡ぐ、打算から始まる伴侶関係

主人公ロザリーは、本から得た知識を現実に適用する行動力と、状況を冷静に分析する知性を併せ持つ侯爵令嬢です。婚約者に裏切られた傷を抱えながらも、相手を責めるよりも「障害になるなら身を引く」という選択をする理性が印象的です。

対するレオニールは公爵家嫡子で近衛騎士という、立場も実力も備えた人物。しかし彼もまた婚約者アマンダに裏切られた側であり、ロザリーと同じ「当て馬」の立場に置かれています。互いに傷を負った者同士が出会い、ロザリーの提案に応じる形で三か月の猶予がもたらされました。

この二人の関係は、恋愛感情からではなくロザリーの合理的な提案から始まります。相手の伴侶としてふさわしさを証明するために奮闘するロザリーの姿には、単なる打算を超えた健気さが見え隠れしています。二人の間で芽生えていくものが、いつ感情へと変わるのか——その過程に注目したくなります。

桃香

恋に落ちた二人の「当て馬」にされた者同士が、自分たちも運命の相手になるかもしれないっていう皮肉が、この作品のいちばんの魅力だと思うのよね。

運命の悪戯を逆手に取る——ロザリーの覚悟が光る一文

「あなたの人生のパートナー……私じゃダメかしら?」

この言葉は、あらすじの中でも特に印象的な一幕です。ロザリーがレオニールに対して申し出るこの台詞には、幾重もの感情が折り重なっています。婚約者に裏切られた傷、自分と同じ立場のレオニールへの共感、そして二人の恋人たちを結ばせるための合理的な判断。

「私じゃダメかしら」という控えめな表現の裏には、自分の感情を押し殺してでも前へ進もうとする覚悟が感じられます。恋は理屈ではなく突然落ちるものだと信じるロザリーが、この申し出によってレオニールとの間に何かが芽生えることを期待しているのかもしれません。この一文から始まる三か月の物語に、運命の悪戯がどんな結末をもたらすのか——読み始める前から心を掴まれる出会いです。

桃香

当て馬同士が結ばれて、その結果として恋人たちも結ばれる——全員が幸せになる可能性を秘めたこの構造、現実にはなかなかありえないからこそ、読みたいのよね。ロザリーの奮闘が恋に変わる瞬間を、私はじっくり見届けたいわ。

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