📝 らぶカル TL小説
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蝶になりたかった少女が、蛾に堕ちるまで
本作は全三部作の完結編にあたるTL小説です。主人公はどこにでもいる平凡な女子学生・雪野まゆ。彼女の願いは、宝石のような青い羽を持つ蝶「オオルリアゲハ」のように誰よりも美しく輝くこと。そんな彼女を見出したのは、莫大な財産を持つ孤独な画家・ノアでした。
愛を信じられず孤高に暮らすノアは、まゆという蛹を「愛の実験対象」として飼育し、倒錯的な性の悦びと社会的常識からの逸脱を教え込んでいきます。しかし自分の生き方を模索してあがく中、ノアから突然の拒絶を突きつけられる。「僕は、君にとっての都合のよい存在ではない」——この一言で、まゆの拠り所は音を立てて崩れていきます。
愛も居場所も失い絶望したまゆは、有象無象の男たちの欲望にまみれる「薄汚い蛾」へと堕ちていく。さらに男たちから、自分がノアの実験対象にすぎなかったことを知らされてしまう。蝶を目指した少女が蛾へ堕ち、それでもなお羽を広げようとする——目次の「1学期『焦燥』」「2学期『底なし沼』」「3学期『飛翔』」という構成そのものが、まゆの三年間の堕ち方と再生の軌跡を静かに予告しているのよね。
「都合のよい存在ではない」という拒絶の刃
この台詞が刺さるのは、拒絶の言葉でありながら、ノア自身の孤独が透けて見えるからです。まゆを飼育し、実験対象として扱いながら、彼はまゆの「都合のよい存在」でいることを自ら拒む。それは突き放しであると同時に、彼がまゆをただの玩具として手放せなくなっている証でもあるのよね。
愛を信じられない男が「愛の実験」という矛盾した行為に走る時点で、すでに彼はまゆに囚われている。けれどその執着を素直に愛と呼ばない。この捻れが、まゆを絶望へ、そして蛾へと堕としていく引き金になる。拒絶の一言に、支配と依存と自己嫌悪がぎゅっと詰まっているのよ。





