📖 らぶカル BL漫画
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スーツ姿の獣人と人間、その「続き」が持つ構造的な強さ
本作は、けもケット17で頒布された成人向けオリジナルBL作品です。既刊『デビルなんかじゃないっ!』『たとえデビルとよばれても!』の続編であり、シリーズ第三弾に位置づけられます。幼馴染のプロレスラーである白虎獣人と、サラリーマンの主人公(人間)が、スーツ姿でイチャイチャしているだけの物語です。
「イチャイチャしているだけ」というあらすじの潔さが逆に気になります。プロレスラーという身体性の極致のような存在と、サラリーマンという日常性の象徴が、スーツという共通の衣装で並ぶ。この取り合わせ自体が、すでに一つの関係性の設計図になっていると感じます。
幼馴染という、最も長い前戯
幼馴染という関係は、物語構造において極めて特異です。出会いの描写を省略でき、信頼の蓄積を前提として置ける。つまり作者は、二人の間に流れた時間そのものを、イチャイチャの解像度に全振りできる。この効率の良さは、シリーズを重ねてきた続編だからこそ活きる強みです。
さらに、白虎獣人という異種の身体と、人間の主人公。この差異は、幼馴染という「距離の近さ」と衝突することで、独特の緊張を生みます。近すぎるからこそ、越えられない一線。その一線がスーツという日常着の上でどう揺れるのか。続編だからこその積み重ねが、ここで効いてくると予想します。
プロレスラー×サラリーマン、身体と日常の交差
プロレスラーは、見せる身体です。観客の前で演じられる強さであり、同時に生身の肉体でもある。一方のサラリーマンは、スーツに包まれた日常の記号です。この二人が同じスーツをまとうとき、身体の意味が反転する。演じる身体と、隠す身体。その重なりは、単なるコスプレ的な記号ではなく、関係性の位相を描く装置になり得ます。
あらすじで「スーツ姿でイチャイチャ」と明示されている点は重要です。私服でも部屋着でもなく、スーツという選択。成人向け作品において、衣装はしばしば剥がされるために存在しますが、本作はその逆を行く。着ている状態のまま何が起きるかに、作者の関心があるのだと読み取れます。
三作目という蓄積が生む、関係性の解像度
シリーズ三作目という事実は、単なる数字以上の意味を持ちます。一作目で出会い、二作目で関係が深まり、三作目で日常に入る。この流れは、BL作品における関係性の成熟を追う王道の構造です。続編である以上、読者はすでに二人を知っている。だから作者は、説明ではなく、変化と安定の両方を描ける。
「デビル」というシリーズタイトルが、三作目でも維持されている点も興味深い。呼称が定着しているということは、それだけ二人の関係が固まっている証拠です。固まった関係の中で、あえてスーツという非日常的な装いを持ち込む。安定と刺激のバランスが、三作目という地点でどう結実するのか。読み手として、そこを見届けたいと思います。





