柴崎さんのケモノみち【単行本版】

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柴崎さんのケモノみち【単行本版】

発売日: 2026/08/27 | 著者: N丸

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紫苑

……これは。冒頭からワンナイト、しかも再会が動物病院。運命の悪戯ってやつ? 関係性の始まりがもう重い。……解釈一致、これは神。

一夜の過ちが運命の再会を招く、不器用な男ふたりのケモノみち

ゲイで根暗、趣味なし、恋人なしの社畜。そんな何重苦も背負った柴崎咲良が、恋愛に疲れて入ったバーで隣席のイケメンとワンナイトしてしまう。酔った勢いとはいえ、後悔の念を抱えながら仕事に追われる日々。しかし道端で弱った子犬を動物病院に連れて行った先で、昨晩の相手と再会する――。

「まさか酔って男を襲うビッチだとはね」という言葉が象徴するように、彼らの関係は軽い一夜の過ちから始まる。だが、その出会い方がすでに運命的で、互いに「ただの一度きり」と思っていた相手と、まさかこんな形で再会するとは。運命の再会(?)に胸のドキドキが止まらない、というあらすじの文言も納得だ。

本作は単行本版としてact.1〜5を収録し、さらにコミックス描き下ろし&電子配信版限定の描き下ろし8P付き。獣医と社畜という立場の違い、そして一夜の関係から始まったふたりの距離感がどう変化していくのか、あらすじからすでに期待値が高い。

紫苑

一夜の相手がまさかの獣医。しかも子犬経由で再会。……客観的に見て、これは神伏線だよ。この出会い方、絶対にただの偶然じゃない。

キャラクターの魅力と関係性

主人公・柴崎咲良は「ゲイで根暗、趣味なし、恋人なしの社畜」。自己肯定感が低く、恋愛にも嫌気がさしている。そんな彼がワンナイトしてしまうのは、おそらく積もりに積もった疲れと孤独が限界を超えたからだろう。後悔の念を抱きながらも仕事に追われる日常は、現代の社畜あるあるで共感を呼ぶ。

対する獣医のイケメンは、昨晩の相手として再登場。彼の「まさか酔って男を襲うビッチだとはね」というセリフからは、軽いノリの遊び人か、あるいは柴崎に対して何かしらの感情を持っているのか、その実像はまだ見えない。獣医として働く姿と、夜の顔のギャップも気になるポイントだ。

ふたりの再会が「道端で弱った子犬」を介して行われるのが、なんとも絶妙。一夜の過ちという人間関係の「野生」と、動物病院という「癒し」の場が交差する。柴崎の根暗な性格と、子犬を助ける優しさのギャップも、獣医の目にどう映るのか。関係性の始まりが「軽さ」と「重さ」の両極端なのが、今後の展開を予感させる。

紫苑

柴崎さんの「根暗で社畜」な感じ、わかるよ……。でも子犬を助けるところがもうギャップ。獣医さんがどう絡んでくるのか、楽しみで仕方ない。

一夜の過ちから始まる、不器用なふたりの距離感

ワンナイトから始まる関係というのは、BLでは定番でありながらも、ここからどう「重さ」に転がっていくのかが鍵になる。柴崎は後悔している、獣医は「ビッチだ」と揶揄する。このまま軽い関係で終わるのか、それとも子犬をきっかけに少しずつ近づいていくのか。互いに「恋愛に疲れた」男と「軽そう」な男の組み合わせは、最初は噛み合わないように見えて、実は似た者同士かもしれない。

獣医の言葉が本心なのか照れ隠しなのか、まだ判別できないのが面白い。あらすじの「胸のドキドキが止まらない」は柴崎の心情を指すだろうが、読者としてもこの先の展開にドキドキが止まらないのは間違いない。

子犬が繋ぐ運命の再会と、描き下ろし8Pの魅力

道端で弱った子犬を動物病院に連れて行く、という行動ひとつで、柴崎の人間性が垣間見える。根暗で社畜でも、目の前の弱った命を放っておけない優しさがある。その優しさが、図らずも昨晩の相手との再会を招いてしまうのが運命の皮肉であり、この作品の面白さだ。

また、単行本版にはコミックス描き下ろし&電子配信版限定の描き下ろし8Pが付属。本編後のふたりの姿や、本編では描かれなかったエピソードが見られるかもしれない。描き下ろしの内容も気になるところだが、まずは本編のふたりの関係性の行方に注目したい。

紫苑

一夜の過ちから始まって、子犬が仲介役とか……最高のフラグでしょ。このふたりがどう転がるか、私はもう全巻追う覚悟でいるよ。社畜の柴崎さんが幸せになるところ、絶対に見たい。
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