📝 DLsite BL小説
運命の縁談が、二人の呪いを解いていく――大正浪漫ファンタジーBL
神職の家系に生まれながら、その異形の見た目ゆえに「半ば機械のように」扱われてきた満碧。十七歳で突然舞い込んだ縁談の相手は、神祇省勤めのエリート官僚・汀夏。嫁いだ先で待っていたのは、菊名橋家に代々続く短命の呪いを浄化し、解呪せよという難題でした。能力を行使することには慣れていても、他人の幸せを願うことを知らなかった満碧が、汀夏と暮らすことで少しずつ変わっていく――というのが、この物語の軸です。
「人間の業や煩悩、ひいては人智を超えた呪いまでも鎮め、浄める力」を持つ満碧と、その力にすがるしかない汀夏。一見すると呪いを解くための契約結婚のようでありながら、二人の距離が縮まるにつれて、互いの心の呪いも解けていく展開が期待できます。大正浪漫の舞台設定も、古き良き情緒と霊的な世界観が絶妙にマッチしていて、読む前からもう世界観に浸れます。
孤独な巫覡と、呪われた官僚――すれ違いから始まる関係性
満碧は「女系家族の中で強い力を持って生まれたために尊敬半分疎まれ半分で家族から顧みられず、雑な扱いを受けていた」という過去を持ちます。そのため、人との会話や関係性を築くことがあまり得意ではなく、愛情を向けられることに慣れていません。一方の汀夏は、帝国大学法学部を主席で卒業した文武両道のエリートでありながら、一族に代々続く短命の呪いを背負い、周囲から理解されづらい孤独を抱えています。
この二人が、縁談という形で突然同居生活を始めるわけですから、最初はぎこちない距離感になることは間違いありません。しかし、満碧は「汀夏と暮らすことで少しずつ他人の幸せを願えるようになっていき」、汀夏もまた「満碧に手を貸してほしいと頼めるようになった」という変化が描かれています。お互いがお互いの存在によって、初めて自分の感情と向き合えるようになっていく過程が、この作品の最大の魅力と言えるでしょう。
心を揺さぶる、運命を背負った者同士の出会い
この一文が、この物語の全てを象徴しているように思います。満碧にとっては突然の縁談であり、汀夏にとっては一族の悲願を託された相手との出会い。どちらも自分の意志ではない形で結ばれた関係が、やがて本物の絆へと変わっていく――その予感をこの一文から強く感じます。
特に「難題」という言葉に、汀夏の抱える焦りや孤独、そして満碧への期待と不安が凝縮されているように思えます。果たして二人は、呪いを解くことができるのか。そして、その過程で二人の心はどう変わっていくのか。物語の結末が気になりつつも、その過程をじっくり味わいたくなる、そんな一文です。
PRESENTED BY DLsite / Novelove Affiliate Program
