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覆面の下に隠された秘密が、実況という名の公開処刑で暴かれる
表題からしてかなり挑戦的ですが、この作品の本質は「覆面レスラー」という設定にあります。あらすじによれば、カントボーイ限定デスマッチが看板興行の団体で、覆面ベビーフェイス・シルバーゲイルがヒール・ブラッディホーンに玩具の凶器で責められ、その様子を実況中継されながら絶頂十カウントを取られる——という展開です。
注目すべきは「契約条項によりデスマッチで秘密が暴かれる」という一文。覆面レスラーにとって正体を明かすことはリング上の死を意味します。その秘密が、単に顔ではなく身体の反応として暴かれるという構造が、もうたまらない。タイトルに「公開連続絶頂実況」とある通り、観客の前で、実況アナウンスされながら、自分の身体の反応を制御できない状態に追い込まれていく——この屈辱と快楽の混ざり合いこそが、この作品の核だとあたしは踏んでいます。
登場人物は全員十八歳以上の成人と明記され、オリジナルキャラクターによるフィクションであることも明示されています。作者がこうした配慮をきちんとしているのも、作品への真摯な姿勢が感じられて好印象です。
プロ意識と執着が織り成す、二人のレスラーの関係性
登場人物は二人。二十八歳の覆面ベビーフェイスカントボーイ・蒼真蓮と、三十二歳のヒール・紅葉剛。ベビーフェイスとヒールというのはプロレスにおける役割の対比で、正統派の善玉と悪役という構図になります。しかしこの作品では、その単純な善悪の構図に「プロ意識込みの執着」という一文が被さってくる。
紅葉剛は「プロ意識込みの執着で玩具凶器と実況を使い公開絶頂へ追い込む」とあります。つまり彼の行為は単なる悪意ではなく、リング上のプロフェッショナルとしての矜持のようなものが根底にある。相手の弱みを暴き、観客を沸かせ、試合を盛り上げる——そのプロとしての行動原理が、結果的に蓮の身体を徹底的に追い詰めていくわけです。
一方の蓮は覆面ベビーフェイス。リング上では正義のヒーローであり、その象徴としての覆面。その覆面の下で、彼の身体が、ヒーローとは思えない反応を見せてしまう。この「表の顔」と「身体の真実」の乖離が、この作品の心理的な核になっていると感じます。秘密を抱えたプロレスラーが、その秘密を暴かれ、なおかつリングに立ち続ける——その葛藤の描かれ方が、あたしは楽しみで仕方ないんです。
「カウント」という言葉が持つ二重の意味に震える
この一文、一読して「あっ、これはやばい」と思いました。プロレスにおける「カウント」は、相手を倒してからレフェリーが数える勝利のカウント。しかしこの作品では「絶頂十カウント」という言葉がある通り、カウントが絶頂の回数を数えるものになっている。つまり蓮が口にする「カウント……入るな」というのは、敗北のカウントを拒みながらも、身体の反応としての絶頂を数えられてしまう——その二重構造がこの短いセリフに凝縮されています。
「まだ、立てる……ッ」という言葉も、プロレスラーとしての矜持が滲む一言。リングに立ち続けるという意味と、身体の反応に抗い続けるという意味が重なって、読み手の心に刺さります。あらすじの時点でこのセリフが提示されているということは、本編ではさらに緊迫感のある状況でこの言葉が発せられるのでしょう。覆面の下の表情、声の震え、身体の反応——そのすべてが行間から立ち上がってくるような、密度の濃い心理描写を期待してしまいます。
この引用だけで、蓮の必死さと、その必死さを観客の前で曝け出される屈辱が伝わってくる。作者は言葉選びが本当に巧い。
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