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▶ 『住み込みの家の規則を書いたのは私のほうで蝋燭屋の型場で蝋燭師に流したての熱ごと溶かされ気泡の入らない蝋が並んだ朝に孕まされていた話』の試し読み・お得なセール状況をチェック!
自分で書いた規則が、自分を縛る——蝋燭屋の型場をめぐる物語
本作は、蝋燭屋に住み込んで三年になるヒロイン・沢城あかね(25歳)の一人称視点で進むTL小説です。あかねは芯巻きと店番を受け持ち、夜の流し込みは蝋燭師の平尾睦(33歳)に任せて先に眠ります。家の規則を紙に書いて壁に貼ったのはあかね自身で、その紙は彼女がいつでも書き換えられ、剥がせます。平尾はその規則に一度も口を出さず、字義どおりにだけ従ってきました。
物語の軸になるのは、あかねが書き、平尾がただ従うだけの「規則」という関係です。規則を定めたのはあかねなのに、その規則が彼女自身の行動を縛り、選択を迫っていきます。誰が主導しているのかが揺らぐ構図が、この作品を他のTL小説と分ける特徴です。
気泡の入らない蝋燭が示す、規則の外れる晩
ある朝、並んだ蝋燭に気泡がひとつも無いことにあかねは気づきます。澄んだ一本が出るのは決まって彼女が深く眠った晩の型からだ、としばらくは考えていた。けれどそのうち、規則の外れる晩を見つけてしまいます。雨の続いた晩は誰が流しても気泡は入らないし、あかねが起きていた晩に澄んだ一本が並んだこともある。そこで彼女は、同じ晩に二本流すことにしました。一本は平尾が、もう一本はあかね自身が。翌朝、澄んでいるのはいつも片方だけでした。
蝋燭の仕上がりというささやかな異変が、規則の意味を問い直す手がかりになっていきます。誰が流した蝋燭が澄むのか——その観察が、あかねの平尾への見方を少しずつ変えていく展開です。
戸に錠は無い。破れば今夜で終わる規則
型場は底から冷えて、流したての蝋のほうが熱いはずなのに、掌を当てられた場所からあかねの内側のほうが熱くなる。戸に錠は無く、規則の紙は一枚きり。破れば今夜で終わる——そう分かった晩に、あかねは型場へ残るほうを選びます。
そして孕んだ冬、規則の紙をもう一枚めくり、いちばん下に一条だけ足して、糊のついた手のまま戸を閉じました。規則を書くのも剥がすのもあかね自身という立場が、最後にどう作用するのか。全10章・約2.0〜2.2万字のボリュームで、あかねの一人称を通して描かれます。
こんな読者に合う作品
- 自分で決めたルールと、それに従う相手との関係の揺れを読みたい方
- 静かな観察と小さな異変から、二人の距離が変わる過程を味わいたい方
- 睡眠中の出来事を題材にした、官能的な物語を文学的な筆致で読みたい方
- ヒロイン一人称視点で、彼女の内側の熱を丁寧に追いたい方
本作はR18の成人向け作品です。登場人物はいずれも18歳以上の成人で、作中の蝋燭製造や型場作業の描写はすべて創作とされています。あらすじにある規則と蝋燭の異変が、最終章でどう結びつくのか。静かな緊張感を楽しみたい方に手に取ってほしい一冊です。
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