📝 DLsite TL小説
▶ 『王室葡萄酒蔵の醸造頭は断罪された悪役令嬢の生まれ年の樽を渡しません ~『貴女の年の樽は開けさせない』と樽の間で毎晩種付けされ孕まされています~』の試し読み・お得なセール状況をチェック!
樽の間から出られない夜と、判を握ったままの醸造頭
本作は、乙女ゲーム『琥珀の蔵開き』の悪役令嬢エミリエンヌ・ラグランジュに転生していると気づいた主人公が、婚約破棄と爵位剥奪の夜から始まるTL小説です。王家の蔵には令嬢ひとりにつき生まれ年の樽がひとつ眠り、婚礼の日に開けられる決まりがあります。婚約を破棄されたエミリエンヌの樽は、次の妃の婚礼で開けられることになりました。しかし蔵の樽に開栓の判を押せるのは、王室葡萄酒蔵の醸造頭ローラン・ヴォージュラただ一人。蔵法では、樽の持ち主が蔵にいるあいだ、その樽に判を押すことはできません。だから彼女は樽の間から出されず、彼は判を握ったまま夜を重ねます。
「ここが一番よく眠れそうです」から始まっていた二人
二人のあいだには、婚約破棄より前の記憶があります。二年前の蔵開きで、客がみな杯を掲げるなか、二十歳のエミリエンヌだけが杯を置いて一番奥の冷えた壁に掌を当て、「ここが一番よく眠れそうです」と言ったこと。そしてローランが蔵に入って以来ずっと守ってきたのが、その壁の冷たさでした。彼は蔵開きの日に成人した令嬢が杯を置いて奥の壁へ掌を当てたことを、蔵の書付の余白に書き残しています。判を押さなかった樽は生涯でひとつだけ——という記述が、この作品の関係性の重心になっています。
石の冷えと肌の熱が入れ替わる場所で、彼女が自分で決めていく
舞台となる樽の間は、石の冷えと肌の熱が途中で入れ替わる場所として描かれています。何を開けて何を開けないかを、エミリエンヌが自分の言葉で決めていくうちに、毎晩種付けされて孕まされていく——というのが本作の中心です。受け身に流されるだけではなく、樽の行方をめぐって彼女自身が言葉を選ぶ構図が示されている点は、単なる溺愛ものとは違う読み味を予感させます。
破滅エンドではなく、二人の婚礼の朝へ
やがてローランが、蔵の温度の書付と目減りの記録から、献上酒に手を入れたのが誰かを言い切れるようになる頃には——物語は破滅エンドではなく、エミリエンヌの年の樽が二人の婚礼の朝に開けられるハッピーエンドへ向かいます。断罪された悪役令嬢の樽が、次の妃の婚礼ではなく自分の婚礼のために開かれる。その着地点が最初から示されているぶん、樽の間での夜を落ち着いて追える構成です。全70ページ、R18作品として成人した二人の合意にもとづく物語であることが明記されています。
こんな読み手に合いそう
- 悪役令嬢もののなかでも、婚約破棄のあとを静かに掘り下げたい方
- 言葉にしない執着や、記録に残る偏愛の気配を拾いたい方
- 身分を失った令嬢と蔵を預かる醸造頭という、立場の差が絡む関係を読みたい方
- 破滅ではなく婚礼の朝へ向かうハッピーエンドを前提に、夜の濃さを味わいたい方
樽、蔵、判、書付——葡萄酒蔵の道具立てがそのまま二人の距離を測る目盛りになっている作品です。冷たい壁に掌を当てる癖から始まる物語を、夜のひとり時間に開いてみるのはいかがでしょうか。
PRESENTED BY DLsite / Novelove Affiliate Program





