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「のど飴代」の句点から始まる、配信者とのオフライン
本作は、総務として働く牧瀬琴音と、配信者・桐島晃(ハンドル名は夜半の低音)の距離が、オフ会の帰り道から変わり始めるTL小説です。琴音は毎晩イヤホンで晃の配信を聴いていて、リスナーとしてのハンドル名は「ことね灯」。咳をするたびに「のど飴代です」と句点まで打って投げていたその丸の打ち方で、晃に正体を見抜かれてしまいます。
見抜かれた場は、オフ会帰りの車の助手席。シートベルトを外さないまま、下着の上からクリを円を描くように回される、というのが本作の入口です。画面越しに丁寧な距離を取っていた配信者の声が、肘を伸ばせば届く隣から聞こえてくる——その落差が、この作品の軸になっています。
場所が変わっても、責められる速さは同じ
車のあとも、二人の時間は各地を移ります。配信ブースの隣室でイヤホン越しにクリとナカを同時に触られ、ヘッドホンの中で自分の声を聴かされる。更衣室のベンチ、ホテルのベッド、雨音の入った配信の横——場所が変わっても、クリと奥を同じ速さで責められるのが本作の特徴です。声を殺さなければならない状況と、殺しきれない声の間で、二人の関係が少しずつ表に出ていきます。
晃は画面では「こんばんは。夜半の低音です」と丁寧に距離を取る人物。それがオフになると、顔出しの共同枠を「ことねのために断る」と決めてしまう。配信者としての立場と、琴音との時間のどちらを取るかという選択が、物語の芯に置かれています。
のど飴の缶の底から、朝へ
タイトルの「のど飴代」は、琴音が配信で投げていた言葉そのものです。その缶の底に、句点を彫った指輪を忍ばせて「住んでくれ」と言う——始まりの言葉が、そのまま結末の形に戻ってくる構成になっています。全10話・約6.8万字で完結し、ハッピーエンドと明記されています。
つながったまま指輪をはめ、「ずっと、そばに置いてください」と答える朝までが描かれるとのこと。声を殺す夜が続いたぶん、最後に交わされる言葉の重さが際立ちそうです。配信という遠い距離から始まった二人が、同じ部屋で朝を迎えるところまでを追いたい方に向いています。
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