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断罪された瞬間に始まる、勘違いだらけの溺愛劇
本作は、前世で過労死した元社畜OLの記憶を取り戻した公爵令嬢エレオノーラが、すでに手遅れの悪役令嬢として大夜会で婚約破棄と国外追放を言い渡される場面から動き出します。ところが彼女はそれを「即日解雇通告」と受け止め、有給全消化の気分で田舎のパン屋を開こうと潔く散ろうとする。そこへ扉を蹴破って現れたのが、社交界で「笑わない氷の狂犬」と恐れられる第一王子・軍務卿のルカです。「国外追放だと? ならば、この女は俺が貰い受ける」――米俵のように担ぎ上げられ、黒曜の離宮へ連れ去られるという導入になっています。
この作品を他と分けるのは、ヒロインの勘違いとルカの本気の温度差がそのまま物語の推進力になっている点です。ルカはエレオノーラの潔さに一目惚れし、弟である元王太子から強奪して自分の囲いへと迎え入れます。一方のエレオノーラは、その執着も手厚い世話も「国家機密を吐かせるための軍事尋問」や「生贄の儀式」と真顔で解釈し続ける。読者だけがその正体を知っている構図が、TLの濃厚さとコメディの両立を生んでいます。
「氷の狂犬」と呼ばれる王子の、過保護すぎる溺愛
ルカ・ヴァレンティン・エル・グランツは、帝国第一王子にして軍務卿。戦場で鍛え抜かれた巨躯と冷徹さから「氷の狂犬」と恐れられる男です。その彼が、仕事中もエレオノーラを膝の上に囲い込み、手ずから食事を与える。さらに彼女のために宮廷料理長を昇格させようとするなど、過保護ぶりは常軌を逸していきます。恐れられる立場でありながら、惚れた相手にだけ一直線という落差が、この作品の読みどころの一つです。
エレオノーラ側も、前世がブラックIT企業の社畜OLだったがゆえに、激しい執着や世話を「新手の生体○問に違いない」と怯えながらも、どこか割り切って受け止めていきます。ルカは「世界を敵に回しても手放さない」と公言する一途さで、勘違いが解けないまま関係が濃くなっていくのが特徴です。
背徳感を煽るシチュエーションと、容赦ないざまぁ展開
濃厚なティーンズラブ描写も見どころとして挙げられています。初夜の体格差を活かした略奪愛撫に始まり、扉一枚隔てた向こうで副官が報告を行う中で声を押し殺させながらの執務室での対面座位、逃亡未遂後のお仕置きとしての大理石の浴室での立ちバックなど、背徳感と焦燥感を煽るシチュエーションがテンポよく詰め込まれているとのことです。
物語のもう一つの軸が、元婚約者たちへの制裁です。エレオノーラを冤罪で追放しようとした元王太子のアランとクララに対し、ルカの諜報部が不正の証拠を完全に押さえ、アランは廃嫡のうえ修道院へ永久幽閉、クララは鉱山送りと容赦なく断じます。さらにルカ自身がエレオノーラを正式な妃に迎えるため、自ら皇太子へ登りつめる政変まで描かれる。悪役側の完全失脚と、ヒロインを迎えるための電光石火の展開が、爽快感として用意されています。
こんな人に読んでほしい
- 悪役令嬢ものの「断罪からの逆転」を、コメディ寄りで楽しみたい方
- 執着と過保護が強い攻めと、それに気づかない鈍感なヒロインのすれ違いが好きな方
- 背徳感のあるシチュエーションと、悪役側がきっちり失脚するざまぁの両方を味わいたい方
元社畜OLの諦観と痛快さ、狂犬王子の激重な溺愛、そして容赦ない制裁。この三つが同時に転がっていく構成なので、笑いと甘さと爽快感を一度に味わいたい読者に向いています。DLsite専売の作品です。
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