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「プチホラー」というタイトルの裏側にあるもの
『Rickey Alebiのプチホラー劇場』は、一冊の中に複数の短編を収めたTL漫画です。タイトルに「プチホラー」とありますが、収録されているのは「海の手」「死後の世界」「不条理先生」という三つの物語。いずれも、日常のすぐ隣に違和感が潜んでいるタイプのホラーです。
恋愛を主軸に据えたTL作品とは趣が異なり、じわじわと不快感や不安を煽る読み味が中心。ホラー表現を楽しみたい読者に向いた一冊といえます。
「海の手」――新生物「オテテ」がもたらす進化ホラー
2031年、地殻変動によって深海から新生物が発見されます。愛称は「オテテ」。人間の生活を助けてくれる存在として描かれる一方、水圧から解き放たれた新生物の実態が明かされていくという筋立てです。
便利な存在として受け入れられたものが、じつは何なのか。その落差を軸にした進化ホラーで、SF的な設定と恐怖を組み合わせた一篇です。
「死後の世界」――案内人が語る、命の行き先
命の行き先はどこなのか。死後を穏やかに過ごすために、今をどう生きるかを案内人が話してくれるという構成の一篇です。
「死」をテーマにしながら、語り手である案内人の存在そのものが読者に問いを投げかける形になっています。死後の世界という題材を、案内人というキャラクターを通して描く物語です。
「不条理先生」――反論できない「道徳」の授業
不条理な殺戮と不条理な意味論。だけれど反論できない、そんな先生と一緒に勉強するという設定の一篇です。デフォルメされたキャラクターたちが、不条理な「道徳」の授業風景を繰り広げます。
先生の語る理屈に、読者はつい納得させられてしまう。そんな不条理さを、デフォルメキャラのコミカルな見た目とともに描いています。
こんな読者におすすめ
甘い恋愛よりも、背筋がすっと冷えるような読後感を味わいたい人に向いています。一話ごとにテーマが異なるため、短編を少しずつ読み進めたいときにも向いた構成です。ホラーを軸にした短編集として、TL漫画の棚とはひと味違う一冊を探している人に手に取ってほしい作品です。
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