🎧 らぶカル TL/乙女ボイス
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「ひと夏」で終わらない、諦めかけた恋の再点火
二年前に東京へ旅立った幼なじみが、夏休みを取って地元に帰ってくる。ただそれだけのことが、どうしてこんなにも特別な響きを持つのか。本作は「大人だって夏休みが欲しい」というキャッチコピーのもと、フォーリーサウンドによる徹底した環境音で、暑い夏の体温すら感じられる作品に仕上がっている。
あらすじを追っていくと、彼女の視線は常に同人誌へ。帰ってきたゆうきが邪魔で仕方ない、というのが正直なところだ。しかし、今年の彼は「なにかが違う」。当たり前のように部屋に居座り、自然な流れのまま幼なじみの一歩先へ。一度許せばどこまでも、という言葉が示す通り、積み重なった想いと欲望は二週間では収まらない。
幼なじみだからこそ、の「ずるさ」を抱えた男
児嶋ゆうき、23歳。地元の大学を卒業後、東京の商社に勤める。基本は陽キャで、サッカー部と写真部を掛け持ちしていた。見た目も悪くないのに、ずっと幼なじみである「あなた」と一緒にいるせいで恋愛対象から除外されてきた……と、本人だけが気づいていない、という設定が効いている。
トラックを追うごとに、彼の「ただの幼なじみ」ではなくなっていく過程が見えてくる。「うるさい、俺だって緊張すんの。だって好きなの、お前だもん」というセリフは、陽キャの仮面の下に隠した本音が弾ける瞬間の象徴だ。さらに「キスマーク、つけたい。ここ。見えるとこ。俺のってつけたい」と続く言葉責めは、独占欲の赴くまま。幼なじみという安心感の裏に潜む、男の執着が静かに、しかし確実に顔を出す。
購入特典の書き下ろしSSでは、彼が過去に「アイツ」以外と付き合っても上手くいかなかった理由が描かれる。アイツがいないと息苦しい、という切ない自覚は、この作品全体を貫く甘い痛みだ。
Q. なぜ「ひと夏じゃ終わらない」と言えるの?
A. あらすじのトラック構成を見ると、トラック7で「来年帰るからと言ってた彼氏が今月帰ってきた」とあり、遠距離恋愛に向かないと自覚したゆうきが、約束よりも早く帰ってくる。さらにトラック8では「夏休みのどこかであった朝」として、また別の夏の朝の情景が描かれている。この流れが、一度火がついた関係が一夏で終わらないことを示している。
Q. フォーリーサウンドとは具体的にどんなもの?
A. 公式紹介によると、white mistが提供するのは「彼と一緒にいる時の空気感」。彼の吐息ひとつから空調の稼働音に至るまで、とことん細部にこだわり、音で聴く「リアル」な空間を演出するという手法だ。自然な演技に自然な効果音が加わることで、登場人物の存在する空間が立体的になる。あなただけに向ける声と温度を独り占めできる、というコンセプトが掲げられている。
Q. ゆうきの「あなた」への想いが最も色濃く出るのはどこ?
A. 購入特典の書き下ろしSSが該当する。そこには児嶋ゆうきの根底にあった「アイツ(あなた)」への想いが綴られている。過去に何度かアイツ以外とお付き合いをしたけれど、どうもうまくいかず、アイツがいないと息苦しいと感じるようになった恋心の自覚。そして、あなたへの愛情をつづったお話として紹介されており、本編の甘いセックスシーンの裏にある切ない心情が補完される内容となっている。