📝 らぶカル TL小説
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10年の眠りが生んだ、すれ違いと執着の物語
本作は、18歳の誕生日に婚約者から一方的に婚約破棄を告げられ、そのまま10年もの間眠りについた令嬢・ジャンヌが、目覚めた先に待っていた過酷な現実と、かつての婚約者である国王ニコラウス一世との再会を描くTL小説です。
目覚めたら10年後の世界。しかもかつて愛した相手は、国民から「淫蕩王」と揶揄されるほどの退廃的な王になっている。ジャンヌの困惑と動揺は計り知れません。しかし物語の根底には、彼女が眠りについた原因がニコラにあるという衝撃の事実が横たわっています。
これは単なる再会ものではなく、10年という時間が作り出した、どうにもならない距離感と、それでも決して消えることのない想いの物語。甘くて苦しい、執着と溺愛が絡み合う大人のラブロマンスです。
真逆の立場になった二人の、歪で純粋な愛
ヒロインのジャンヌは、幼い頃から第七王子だったニコラの婚約者として、彼を支える役割を命じられてきました。2歳年下の彼を大切に思い、臣下として支える覚悟があったからこそ、婚約破棄の衝撃は深く、彼女の心を眠らせてしまったのでしょう。
対するニコラは、かつて後ろ盾もなく兄たちから軽んじられていた頃、ただ一人優しくしてくれたジャンヌを心から愛しています。しかし彼は自らの手で婚約破棄を告げ、彼女を眠らせてしまった張本人。その後はその美貌と肉体を武器に貴族たちを懐柔し、王位を勝ち取ったのです。
彼がなぜジャンヌを遠ざけたのか、その真意は誰も知りません。ただ、寵愛を受けた貴族たちがすべて没落しているという事実は、彼の心が10年経っても決してジャンヌ以外に向いていないことを暗示しています。王という地位と、一人の女への執着。そのギャップがもう、たまらないんです。
「淫蕩王」の名に隠された、一途すぎる想い
この一文を読んだ瞬間、背筋がゾクッとしました。王として多くの貴族を手玉に取り、退廃的な日々を送っているように見えるニコラ。しかし、その寵愛が向かった先の人物が全員没落しているということは、彼の行為が決して本心から出たものではなく、すべては目的のための手段だったことを物語っています。
彼が本当に愛しているのは、10年前のあの日、優しく微笑んでくれたジャンヌだけ。だからこそ、他の誰かを抱くたびに、心は別の場所にあったのでしょう。その一途さが、あまりにも歪で、痛々しくて、それでいて愛おしい。淫蕩王と呼ばれる男の、ただ一人の少女への変わらぬ想い。このギャップに心を射抜かれない読者はいないはずです。