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顔の見えない相手と、繰り返される金曜日
本作の主人公は、カント型オメガの遠野奏。発情期を匿名の処理施設で過ごしてきた彼は、毎回同じ「金曜の最終枠」と「三号室」を選びます。壁の向こうの相手は見えない。それでも差し入れられる右手の傷と匂いから、受付職員の速水賢だと気づいている——という導入が公開されています。
匿名の壁穴越しという設定でありながら、相手を特定している。この「知っているのに言えない」関係性が、本作を単なる施設ものと分けています。
傷のある手が、匿名を成立させない
奏が賢だと気づく手がかりは、右手の傷と匂いです。顔を見ないまま、その傷のある手と指で責められ、壁穴から挿入され、同じαの精液を何度も受けてきた——という関係が積み重ねられてきたことが、あらすじで示されています。
匿名のはずなのに、身体の一部と匂いだけが相手を特定してしまう。この設定は、読者が「なぜ奏は気づいているのに通い続けるのか」を追うための軸になります。
対面開示という選択が、関係を動かす
物語の転換点は、奏が自分から対面開示を選ぶことです。匿名の関係を終わらせる——という決断が、公開あらすじに明記されています。壁越しに中出しされたあと扉が開き、正体を知った賢と顔を見たまま再び抱かれる、という流れが続きます。
ここで注目したいのは、対面開示を選んだのが受け側の奏である点です。匿名を終わらせる主導権を、彼自身が握っています。
妊娠確定から、二人の家へ
正体を知ったあとの再会と、妊娠の確定。そして二人の家へ帰るまでが描かれる、と公開情報にあります。匿名施設での関係から、名前を知った相手との生活へ——物語の着地点が「家」であることが、この作品の温度を決めています。
収録は本編一編、PDF版。DLsite専売です。登場人物はすべて成人のオリジナルキャラクター、作中の施設・制度は架空と明記されています。
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