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商店街の日常に紛れた、隣の青果店の兄ちゃんへの片想い
本作の舞台は、十月半ばの午後二時の商店街です。花屋でバイトをする榛(24)は、エプロンの紐を二重に巻いても余るほど腰の細い青年。毎朝「おはよ、花屋」と声をかけてくる隣の青果店の兄ちゃん・舷(29)のことが、ずっと好きでした。特別な出来事ではなく、毎朝の挨拶の積み重ねが二人の距離を描いていく点が、この作品の出発点になっています。
物語が動き出すのは、榛がコスモスの配達に出た先での出来事です。転がってきたみかんを踏んで自転車ごと転倒し、起こそうとした舷の手がサドルの下から股に入り込みます。ジーンズの上から触れたのは、チンコの代わりの柔らかな割れ目でした。「……おい。お前まさか……」という舷の言葉が、この作品の転機を象徴しています。
軽トラの荷台という、幌一枚の距離感
転機のあと、二人の時間は店の裏の軽トラの荷台へと移ります。農水大臣の辞任を話す常連のおばあちゃんと幌一枚をへだてた場所で、榛は舷に膣を指でかき回され、クンニでイかされます。お返しに口で精子を飲めば、表では魚屋の大将が逃げたみかんを追いかけて大騒ぎ。密やかな時間と商店街の喧騒が同時に進む構成が、この作品ならではの空気を作っています。
最後は柿の箱にしがみついて後ろから、花屋のおかみさんからの電話をはさんで正面から。膣の奥に中出しされる、秋の日なたの商店街。電話越しの会話と身体の時間が重なる場面は、日常の延長線上にある濃密さとして描かれています。
腰の細さとエプロンの紐が示す、カントボーイという造形
榛の特徴として繰り返し描かれるのが、エプロンの紐が二重に巻いても余る細い腰です。花屋という職業と、カントボーイという言葉が結びつくことで、この作品独自の人物像が立ち上がっています。年上の舷との関係は、毎朝の挨拶から始まる親しさと、転倒をきっかけに露わになる緊張が同居しており、二人の距離の変化を追う読み方ができます。
商店街という閉じた空間で、隣の店の兄ちゃんという身近な相手との関係が進んでいく点は、日常の延長にある濃密さを求める読者に向いています。配達、軽トラ、電話、柿の箱といった具体物が場面ごとに配置され、秋の日なたの空気が全編を包んでいます。
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