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「隠すことすら許されない」検査の現場を追う連作
『国民徴兵検査AtoZ』は、18歳になった日本男児に課される国民徴兵検査を描くBL小説です。全裸にされ、頭のてっぺんから足の爪先まで国家権力によって調べられる——両手で股間を隠すことも許されず、陰茎や肛門といった本来人に見せるべきでない部位まで、軍医や検査官の手によって確かめられていきます。思春期の男児たちが、国の定めるM検・A検に困惑しながら立ち向かうさまを追う構成です。
特徴は、プロローグ2本にAからZまでの検査場面、さらに教官を描くおまけ4本を収録した連作形式にあります。集団検査、肛門検査、陰茎検査、小便検査、性病検査、そして特別徴兵検査まで、検査の種類ごとに場面が区切られているため、どの検査がどういう状況で行われるのかを追いながら読み進められる作りです。
検査の種類ごとに分かれた、場面の切り取り方
目次を見ると、同じ系統の検査が複数回登場する点も見逃せません。肛門検査はB・E・G・Y、陰茎検査はD・K・Z、集団検査はA・J・Nと、番号を変えて繰り返されます。一度きりで終わらせず、検査の場面を積み重ねていく構成になっているのが本作の骨格です。
- プロローグ【赤紙】【父親】——検査に至る前段の状況
- 集団検査(A・J・N)——複数の男児が同じ場に置かれる場面
- 肛門検査(B・E・G・Y)・陰茎検査(D・K・Z)——部位ごとに分かれた検査
- 強○搾精・精液搾取・陰茎測定など、検査の名を冠した各話
- 特別徴兵検査(X・Y・Z)——通常とは別枠の検査
- おまけ——教官の月例検査・股間検査・性病検査など
検査官や軍医、教官といった「検査する側」の視点も、おまけで描かれる構成です。検査される側と検査する側の両方から場面が用意されているため、同じ検査でも立場の違いによる見え方の差を意識しながら読める作りになっています。
「困惑しながらも立ち向かう」少年たちの距離感
あらすじで強調されているのは、思春期の男児たちが困惑しながらも検査に立ち向かうという姿勢です。股を窄めることも腰を引くことも許されない状況で、彼らがどう振る舞うのか。検査という逃げられない枠の中で、抵抗と受容の間で揺れる心情が描かれることがうかがえます。
性的な場面を含む作品ですが、あらすじから読み取れるのは、あくまで「国の定め」という制度の中で行われる検査としての位置づけです。恥ずかしさを許されない環境に置かれた少年たちの反応と、それを取り巻く検査官・軍医・教官たちとの関係が、本作の中心にあります。
こんな読者に刺さる作品
制度や規則によって否応なく身体を扱われる状況を、関係性の物語として読みたい方に向いています。検査という反復される場面を通して、少年たちと検査側の人間がどう関わっていくのかを追いたい方、連作形式で場面ごとに区切られた構成を好む方に合うでしょう。全裸での検査という設定が前面に出るため、そうしたシチュエーションに関心がある方には特に響く作品です。
青年・体育会系・ノンケ・筋肉・短髪といった要素を伴う男児たちが、国の検査に身を置く物語として紹介されています。
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