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▶ 『七つ口の古い竈を崩す段取りを組んだ私が、住処を失った竈の神に煤けた板間で抱き据えられ、新しい竈の土が焼き締まるまでに孕まされた話・一話〜』の試し読み・お得なセール状況をチェック!
竈を崩した女と、住処を失った竈の神
山裾の大庄屋の台所には、七つの焚き口を並べた古い竈があります。台所を差配する飯山たづ(26歳)は、ひびの入ったその竈を冬のうちに据え替えるため、崩す日・土を練る日・乾かす日・火を入れる日という日割りを組みました。春には主家の祝言が控えており、一日も惜しかったのです。そのため竈の神を送る手順を省き、古い竈を崩させます。しかしその晩、火の消えた土間で、煤染みの前掛けを締めた男と向き合うことになります。住処を失った竈の神でした。
神は代の払い方を二つ、先に並べます。崩した竈を元の土で積み直し、据え替えを諦めるか。新しい竈の土が焼き締まるまで、夜ごとたづの温みを住処に貸すか。台所の板戸に閂は掛けず、朝は自分が先に竈の土へ戻るとも言います。たづは後のほうを、自分の口で選ぶのです。
「選ぶのは彼女の口」という構図
本作の読みどころとして挙げられているのが、焚き口の順をひとりで背負ってきたたづが、自分の重みを神の胸へ残らず預けてしまう一点です。手も膝も、もう何も支えていない――そんな瞬間が頂点として置かれています。代の形を先に示すのは神ですが、選ぶのはたづ自身。この主導権の置き方が、この作品の関係性を特徴づけています。
また、たづは気づいたことを黙って飲み込まず、そのつど神に問います。古い竈の土はどこから来たのか。焚き口はなぜ七つなのか。答えが返るたびに、ひとりで抱えてきた段取りが一つずつ神の側へ移っていくといいます。台所を差配する立場と、竈を住処とする神。そのあいだで、仕事として組んできた順序が少しずつ預けられていく過程が描かれます。
冬から春へ、据え替えの日割りとともに進む十六章
物語は、崩す・練る・乾かす・火を入れるという竈の据え替えの日割りに沿って、冬から春へと運ばれます。土を練り、乾かし、火を入れる。そのあいだに月のものが一度来ず、二度目も来なかった――新しい竈の土が焼き締まる頃、たづは孕まされています。日割りという一本の時間軸が、そのまま二人のあいだの出来事の進み方と重なっていく構成です。
体裁は和風あやかし・人外TL、ヒロイン一人称、本文約3.9〜4.2万字(全16章)。体験版では第1章〜第3章が読めます。挿絵なし・縦組みPDFで、本作は連作の第一話です。R18作品のため、18歳未満の購入・閲覧はできません。登場人物はすべて二十歳を越えた大人で、代の形は本人が選んでいます。
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