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📝 DLsite TL小説
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遊覧ヘリの機内で、夫を「他人」として通す四十分
本作は、遊覧ヘリコクスターの機内を舞台にしたTL小説です。ヒロインの汐音は番組制作会社の音声担当として、湾岸のヘリポートから飛ぶ体験レポートの取材に来ています。後席で案内役を務める操縦士は、なんと彼女の夫・瑛二。番組は運航会社との金の関係がない体験レポートとして作られているため、取材班に操縦士の妻がいると分かれば企画ごと流れてしまいます。そこで現場では「音声さん」と「案内の操縦士」の他人で通すことになり、それを言い出したのも、合図を決めたのも夫の瑛二でした。
ヘッドセットがつなぐ六人の耳と、二人だけの合図
機内には機長を含めて六人が乗り、全員が同じインターコムでつながっています。誰かが声を出せば全員の耳に入り、汐音の録音にも残る密室。そんな状況で、夫婦は「汐音がヘッドセットのマイクを跳ね上げたら、そこで手を離す」という合図を事前に決めています。夕景便の四十分は、隣の夫が機窓の案内だけをして、汐音の膝の機材ケースにさえ触れない時間として描かれます。この触れない時間の長さが、後の夜景便の展開を際立たせる構成になっています。
揺れで止まった機体、続けるかどうかを決めるのは汐音
夜景便が離陸して機内灯が落とされると、暗がりで瑛二の指が汐音のスカートの奥へ入ります。しかし間もなく管制の指示で機体が湾の上を回って待つことになり、揺れで何もかもが止まってしまう。ここで続けるかどうかを決めたのは、夫ではなく汐音自身でした。レポーターが振り返って話しかけたとき、汐音の指がマイクのブームに触れ、瑛二の手はすぐに離れて、レポーターが前へ向き直るまで戻らない。声を我慢しながら、他人を装いながら、合図ひとつで主導権が行き来する関係性が、この作品の中心にあります。
雲の下に街の灯が開く、最後の瞬間
やがて機体が薄い雲に入って窓が真っ暗になり、雲の下へ抜けて街の灯が足もと一面に開きます。最後に汐音が達するのはその瞬間で、ヘッドセットのコードが彼女の手の中で張りつめていた、という場面で物語は描かれます。全50ページのR18作品で、登場人物はすべて二十歳以上の社会人。夫婦が合意のうえで行う「他人のフリ」プレイが題材で、操縦を担う人物は行為に加わらないと明記されています。密室の緊張感と、窓の外の夜景の広がりが対になる構成に関心のある方に向く一冊です。
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