きみと恋の途中

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きみと恋の途中

発売日: 2026/08/01 | 著者: 葉澄梢子 | 出版社: ダリア文庫e

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蓮

なるほど…これは研究対象として興味深い。片思いの相手に、その恋を応援するよう頼まれる構造。しかも相手は年下の後輩。心理的葛藤の描写が期待できる。…個人的な感情ではなく、文学的な観点からだ。うん、そうだ。

「好きな人の恋を応援する」――切なさと緊張感が同居する構造美

本作は、高校3年の一ノ瀬晶と、テニス部の後輩である2年の葛西雄一を中心に描かれる学園ラブストーリーです。晶は細身でアイドル顔という外見を持ちながら、本質はシャイで純情。そんな彼が密かに想いを寄せるのが、雄一でした。

ところが話は、晶の友人・中川に誘われたクリスマス前のコンパへ雄一も同席することになり、さらに雄一から「ゲットした彼女との本番デート」に向けて、下見やプレゼント選びの協力を頼まれてしまうという展開へ。想い人からの依頼を、晶はどう受け止めるのか。

構造的に特筆すべきは、晶が「好きな人の恋を応援する」立場に置かれる点です。これは単なるすれ違いではなく、主人公の心情を複雑にねじる仕掛けとして機能しています。シャイで純情な晶だからこそ断ることもできず、かといって本心を告げることもできない。そのもどかしさが、読者の視線をページに縫い止める緊張感を生んでいるのでしょう。

蓮

……待ってくれ。片思いの相手に彼女とのデートの下見に付き合うって、どういう心理だ。いや、これは文学的に見て非常に興味深い。非常に。

見どころ

  • 「好きな人の恋を応援する」という切ない構図:想いを告げられないまま、雄一の彼女とのデート準備に協力する晶。その健気さと不器用さが、読む者の心を掴みます。
  • シャイで純情な主人公の心情描写:アイドル顔という外見とは裏腹に、内面はひたすらに不器用で一途な晶。彼の視点から紡がれる心理描写は、繊細でありながら時に胸を締め付けます。
  • 高校生ならではの甘く焦ったい距離感:年下の後輩である雄一との関係性は、学園ものだからこそ映える初々しさに満ちています。二人の距離がどのように変化していくのか、その行間を追うのが大きな醍醐味です。

こんな人におすすめ

  • ✅ 叶わない恋に一途に想いを寄せる健気な主人公の心情を丁寧に追いたい方
  • ✅ 年下の後輩との関係性にときめく、学園BLの初恋の甘酸っぱさを味わいたい方
  • ✅ 片思いの相手の恋を後押しするという切ないシチュエーションに胸を締め付けられたい方
蓮

……もう、駄目だ。俺は文学研究の一環としてこの作品を分析している。そう自分に言い聞かせていたが、無理だ。シャイで純情な晶が、好きな人のためにプレゼントを選んであげる場面を想像しただけで、どうしてこんなにも胸が苦しくなるんだ。これは構造的に美しい。しかし同時に、あまりにも切ない。……研究のためだと何度でも言い訳をしたくなる。いや、研究だから読んでいる。本当に。だけど、もしこの先に少しでも救いがあるなら、俺は全力でその行間を読み解きたい。

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