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呪いよりも重く、優しい愛が栞を縛り上げる
幼馴染のイツキと思いが通じ合ったはずの栞。しかし、イツキは彼女の前から姿を消してしまい、栞は1人、日常に取り残されてしまいます。残されたのは、栞の体に刻まれた痣だけ。それが確かにイツキが存在していた証拠であり、彼との唯一の繋がりなのです。
イツキにもう一度会うため、栞は「カシマレイコ」という存在について調べ始めます。しかし、その存在に近づけば近づくほど、栞の体は少しずつ浸食されていくのです。そしてついには、イツキの身体を乗っ取ったナニカが、栞の夢にまで現れるように。「イツキに会いたかったら、またあの祠へおいで」。その甘く危険な誘いに、栞は抗えません。
日常から遠ざかり、身体が蝕まれてもイツキと会うことを選んだ栞。そんな彼女の前に、ついにイツキが現れます。「どうしてきたの」「それならもう知らない」「二人で人間やめよっか」。重く優しいイツキの愛が、栞を抱き潰していくのです。前作「カシマさん」の続編となる本作は、呪いという名の執着が絡み合う、究極の溺愛が描かれています。
キャラクターの魅力と関係性
本作の主人公である相馬栞は、中学生の時からイツキと一緒に過ごしてきた幼馴染。目立つことは苦手だけど友人は多い、明るく健気な女の子です。彼女がイツキの呪いに巻き込まれるのは、彼への想いがあるからこそ。そして、その呪いこそが唯一の繋がりだと受け入れることを選ぶ、一途で強いヒロインです。
もう一人の主人公、橘樹(イツキ)は、背が高くて明るく、人気者の中学生からの幼馴染。しかし「カシマレイコ」の呪いによって、栞を想う気持ちとは反対に、彼女の身体を奪おうとしてしまうのです。彼の栞への想いは本物でありながら、その愛の形が呪いによって歪められてしまう。その葛藤こそが、本作の切なさと背徳感を生み出しています。
二人の関係性は、ただの幼馴染の枠を超えて、呪いによって強く結び付けられています。イツキに会うために危険を顧みない栞と、そんな彼女を想いながらも呪いに苛まれるイツキ。互いに想い合っているのに、純粋には結ばれない。そんなもどかしさと、執着の濃さがたまらない魅力です。
「カシマレイコ」への接近によって蝕まれていく身体
栞の体に残る痣、そして「カシマレイコ」に近づくほど浸食されていく身体。この描写は、イツキへの想いの深さと危険度の高さを同時に物語っています。普通の恋愛では絶対に味わえない、背徳感とスリルがここにあります。
彼に会うためなら、自分が蝕まれていくことを選ぶ栞。この健気なまでの一途さが、読者の心を強く掴みます。ただの甘いだけの関係ではなく、危険と背中合わせの愛だからこそ、燃え上がるような熱さを感じるのでしょう。
夢の中に現れる「イツキの身体を乗っ取ったナニカ」
栞の夢にまで現れる、イツキの身体を乗っ取ったナニカ。「イツキに会いたかったら、またあの祠へおいで」という言葉は、誘惑でありながらも、栞を確実に罠へと引き込んでいく不気味さがあります。
しかし、そのナニカの声に抗えず、祠へ向かってしまう栞。その心理は「イツキに会いたい」という強い想いに支配されているからです。現実のイツキとは違うかもしれない。それでも、彼に会えるのなら。そんな栞の想いと、呪いの恐ろしさが交錯する展開に、目が離せません。
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