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“その間”に何があるのか——二人の時間を紡ぐ再録集
本作は、Pixivで発表された作品の再録に加え、3ページの書き下ろしを含むA5サイズ・55ページの一冊です。引退後の純(二十歳)と、プランツ○ールの司(八歳くらい)という、時間軸も立場も異なる二人の出会いと交流が、縦書き小説の形式で丁寧に描かれます。
作品紹介には「口調迷子、捏造設定、ショタ、オリキャラなど苦手な方はご注意を」と明記されており、作者自身が作品の性質を正直に伝えようとする誠実な姿勢が感じられます。同人誌ならではの、読者への配慮と作品への愛情が行間から滲み出るような構成です。
「プランツ○ールのパロ」という言葉からもわかるように、既存作品の登場人物を借りた二次創作でありながら、独自の時間軸と関係性を丁寧に構築している点に、作者の熱量が感じられます。「引退後」という設定には、キャリアを終えた大人と、これから成長していく子どもという、人生の異なる季節を生きる二人の対比が込められているのでしょう。
キャラクターの魅力と関係性——二十歳と八歳の、ほどよい距離感
引退後の純は二十歳。大人としての自覚と、まだ若さゆえの迷いを併せ持つ年齢です。一方の司は八歳くらい。純とは一回り以上離れた子どもの存在として描かれています。この年齢差が、二人の関係性に独特の緊張感と温かみを与えているのでしょう。
「出会って一緒に過ごすようになる」というあらすじからは、派手な事件や劇的な展開よりも、日常の積み重ねが丁寧に描かれる作品であることが伺えます。年齢も立場も異なる二人が、どう言葉を交わし、どう距離を縮めていくのか——その過程そのものが、読者にとっての大きな見どころとなるはずです。
この作品の魅力は、大人と子どもという非対称な関係性を、どちらかが一方的に導くのではなく、互いに影響を与え合う相互作用として描いている点にあります。引退した元選手と、これから成長していく少年。二人が交わす何気ない会話や仕草の一つ一つに、人生の機微が込められているのでしょう。
作者の誠実さが滲む、作品紹介の一文から
この一文は、単なる注意喚起以上のものを含んでいます。作者が自分の作品の特性を客観的に理解し、読者に正直に伝えようとする姿勢の表れです。二次創作において、原作との解離や独自解釈を「捏造」と明言することは、勇気のいることでもあります。
しかし、この正直さこそが、作品への信頼感につながるのではないでしょうか。苦手な方への配慮を示す一方で、この注意書きを読んでなお手に取りたいと思う読者には、作者の誠実なまなざしが届くはずです。作品紹介の時点で、作者と読者の間に静かな信頼関係が築かれている——そんな気配を感じさせる一文です。
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