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七年間の沈黙が、退職日の夜に溶けていく——歳の差背徳TLの傑作
七年勤めた会社を辞める日、29歳のみつきは最後の挨拶に役員室を訪れます。相手は52歳の専務・遠山。新人時代から一貫して冷静で、褒めも叱りもせず淡々と仕事だけを見てきた人。そんな彼が退職届を受理し、受け取った封筒を机に置いた瞬間——ネクタイを緩めたのです。
「これで、上司じゃないな」。この一言で物語は一気に動き出します。七年間一度も崩れなかった顔が初めて崩れる瞬間。そしてみつきは、自分の異動も担当替えも、無茶な仕事から外されていたことも、すべて遠山が裏で動かしていたことを知るのです。人のいないフロアの奥、革のソファに沈められ、二十歳以上年上の男に時間をかけて追い上げられていく——会社の匂いがする部屋で、七年分の距離が一晩で埋められていく、という構成です。
本文は約2.5万字、全12章。ヒロイン一人称で綴られるこの物語は、退職という「関係の終わり」が実は「本当の始まり」だったという逆転の構造が鮮やかです。歳の差・背徳感・執着というテーマが、単なる属性の羅列ではなく、七年間の時間経過と二人の関係性の積み重ねとして丁寧に描かれているのが伝わってきます。
冷静な専務と感情を仕事に持ち込まないヒロイン——二人の「距離」が埋まる瞬間
登場人物は二人。29歳のみつきは、感情を仕事に持ち込まないことを信条としてきた女性で、一人称は「私」。七年間、遠山の態度は一貫して冷静で、私情を一切見せなかった。そんな彼のことを、みつきは「淡々と仕事だけを見てきた人」と認識していました。
一方の遠山は52歳の専務。冷静沈着で私情を見せない男として描かれています。しかしその内側では、七年間「立場を理由に何も言わずにきた」のです。退職届を受理したその瞬間、彼の七年間の沈黙が崩れ、態度が一変します。褒めも叱りもせず、ただ淡々と見守っていたように見えて、実は裏でみつきの仕事環境を守っていた——この「静かな庇護」の事実が、退職日に初めて明かされる構造がこの作品の核です。
二人の年齢差は二十歳以上。しかし読みどころには「力ではなく時間のかけ方で押してくる責め」とあります。年齢差による支配や力関係ではなく、七年間の時間を丁寧に使って関係を築いてきた遠山の、独特の「待つ」姿勢と、退職後の反転。この緩急の付け方が、読者の心臓を鷲掴みにすること間違いありません。
見どころ
- 退職日に判明する、七年間の静かな庇護:みつきが自分の異動も担当替えも無茶な仕事から外されていたことも、すべて遠山が動かしていたと知る瞬間。七年間見えなかった「守られていた」事実が、退職という終わりの日に初めて明かされる切なさとときめき。褒めも叱りもせず淡々と見ていた顔の裏に隠されていた想いの重さに、読んでいて胸が締め付けられます。
- 一度も崩れなかった顔が崩れる瞬間の落差:七年間一貫して冷静だった遠山が、退職届を受理した瞬間にネクタイを緩め、「これで、上司じゃないな」と言葉を放つ。この一文で、彼の七年間の想いのすべてが伝わってくる構成。積み上げてきた時間の分だけ、その瞬間の破壊力が大きい。
- 二十歳以上の年齢差を「時間のかけ方」で押してくる大人の責め:力ではなく、七年間の沈黙と距離の埋め方で迫ってくる遠山のスタイル。会社の匂いがする部屋、人のいないフロアの奥、革のソファ——非日常的なシチュエーションと、大人の余裕ある時間の使い方が、背徳感をいっそう引き立てます。
こんな人におすすめ
- ✅ 退職・卒業・転勤など「区切り」の瞬間から始まる恋愛に胸が高鳴る人
- ✅ 冷静で感情を見せないキャラクターが、ある瞬間に崩れる「落差」に弱い人
- ✅ 年の差カップルが、力関係ではなく「時間の積み重ね」で距離を埋めていく過程を堪能したい人
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