📖 DLsite BL漫画
発売日: 2026/10/19 | 著者: こより | サークル: ぞくり | 40P
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待って、天馬が梶への言葉選びを間違えた、という一点だけでこんなに胸がざわつくの、構造的に反則では? 不器用な大学生が不器用なりに絞り出した言葉がすれ違う——この「言い方」の問題を軸に置いてくる作品、僕はかなり信頼しています。
「言葉選びの失敗」から始まる、先輩と後輩のすれ違い
『まだ溢れてないけど。』は、大学生の天馬と、天馬のバイト先であるカフェの先輩・梶を描くBL漫画です。天馬は梶に惹かれているものの、今回は梶への言葉選びを少し間違えてしまう——あらすじで示されるのはここまでで、物語の起点が「行動」ではなく「言葉の失敗」にある点が、本作を特徴づけています。
天馬は手先が不器用、梶は手先こそ器用なものの性格的には不器用さがある、と紹介されています。手先の器用さと性格の不器用さが人物ごとに入れ替わるこの対比は、関係の噛み合わなさをそのまま表しているように読めます。
手先は器用なのに性格は不器用、という梶の設定がもう……文学的考察として、これは「うまく扱えるもの」と「うまく扱えないもの」の落差を人物に背負わせた配置なんですよ。天馬はその逆で。噛み合わないはずだ、この二人。
カフェという日常の中で描かれる関係
舞台は天馬のバイト先であるカフェで、二人は先輩と後輩という関係にあります。非日常的な事件ではなく、日常と生活の延長にあるやり取りの中で、言葉の行き違いが生まれる構図です。
- 天馬:梶に惹かれている大学生。手先が不器用。言葉選びを誤る。
- 梶:カフェでの天馬の先輩。手先は器用だが性格に不器用さを抱える。
- 関係の軸:先輩と後輩。想いと言葉のすれ違い。
派手な設定を重ねるのではなく、日常の中の一言の重さに焦点を当てた作品を読みたい方に向いています。想いがまだ言葉になりきらない段階の、静かな手触りを求める読者に合うでしょう。
「まだ溢れてないけど。」というタイトルがもう……溢れる手前で止まっている状態に名前をつけている。言葉選びを間違えた天馬の内心が、この題名にそのまま畳まれている気がして、あらすじだけで震えてます。早く溢れるところまで見届けたい。
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