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📝 DLsite TL小説
▶ 『身柄ごと公売にかけられた悪役令嬢に値をつけたのは鋳物頭ひとりでした ~『私だけが貴女に値をつけました』と吹子場の火床の前で夜ごと孕むまで踏ませています~』の試し読み・お得なセール状況をチェック!
「値をつけたのがこの人ひとり」から始まる、身柄ごとの物語
本作は、家ごと負債に潰された元伯爵令嬢クレマンスが、王都の公売場の卓に出されるところから始まるTL小説です。父が王家へ納めた大砲に巣が出た責めを負い、爵位は削られ、彼女自身が担保として帳面の一行になる。その場で唯一、値をつけたのが王立鋳場の鋳物頭バルナベでした。
乙女ゲーム『鉄の王冠と砂の型』の悪役令嬢という役を、公売場の卓の上で初めて自分のものとして受け取る——という導入の組み合わせが、まず特徴的です。転生先が「これから売られる場面」というのは、なかなか見ない入り方ではないでしょうか。
触れず、教えず、理由も言わない——吹子場の数日間
吹子場へ連れられてからの数日、バルナベはクレマンスに触れず、吹子を踏ませ、火床の蓋の開け閉めだけを教えます。吸う時と吐く時を踏む息に合わせられているうちに、自分の呼吸が自分のものでなくなっていく。手を出さない時間の方が長いのに、主導権は最初から彼にある。この静けさの描き方が、本作の関係性の核になっています。
やがて火床の前で夜ごと奥まで注がれるようになっても、彼は理由をひとつも言いません。何を思って値をつけたのか、なぜ教えるのか。言葉にされないまま、身体の側から関係が組み替えられていくタイプの作品です。
「値をつけた手」と「帳面の手」が同じだったとき
物語の軸には、もう一本、金属の話が通っています。クレマンスは金物の肌目を見るのが好きで、卓に出た器の裏を返して切り口を見てしまう令嬢。彼女はやがて、割れた砲身の切り口に出た巣の出方が、型の不備ではなく地金の質によることに気づきます。銅の目方を抜いた手と、公売場の帳面で彼女を競り上げようとした手が、同じだった——というところへ話は落ちます。
身柄に値がついたことより、父の鋳た砲に何があったのかを知りたがる。この人物の重心が、恋愛だけでなく「知りたい」に置かれているのが面白いところです。公売場の帳場で切り口の断面と帳面を突き合わせる場面が、物語の着地点として用意されています。
歳の差と、立場の落差をまとめて引き受ける
クレマンス23歳、バルナベ35歳。元伯爵令嬢と平民の鋳物頭という組み合わせで、しかも彼が人に値をつけたのは生涯ただ一度だけ、という設定が添えられています。歳の差、身分差、そして「たった一度の札」という一途さ。溺愛や執着を好む読者には、あらすじの時点で刺さる構図が揃っています。
全68ページのR18作品で、登場人物はいずれも18歳以上の成人として描かれています。異世界転生ファンタジーを題材にしたフィクションであり、作中の性行為は成人どうしの合意にもとづくものと明記されています。重ための関係性を、最後まで読んで確かめたい人に向く一冊です。
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