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偽装恋人という名の、運命の再出発
南野花梨は、財前さんの専属秘書として働き始めて3ヶ月。超俺様な御曹司・常務取締役だと聞かされていたから不安もあったけれど、実際の彼は「取引先の評判がいい」「仕事も早い」と花梨を絶賛し、「お前が必要だ」なんてストレートに言葉をくれる。その強引さに戸惑いながらも、悪い気はしない——そんな複雑な心の揺れが見どころです。
ふたりきりの歓迎会で酔いすぎた花梨は、財前さんに介抱されてホテルへ。最初こそそのまま休ませようとしてくれたものの、さんざん煽ってしまったせいで火がついてしまう。仕事と変わらない俺様モードで攻められ、大事なところを舐められながら「もっと欲しいだろう?」と問いかけられる展開には、大人の関係性ならではの緊張感と甘美さが共存しています。
すっかり酔いが冷めたあと、顔面蒼白で謝罪する花梨に対して、財前さんは「なら、俺の偽装恋人になれ」とまさかの提案をしてくるのです。一夜の過ちから始まった関係が、契約という形で新たなステージへ進む——この偽装恋人という設定に、私はもう夢中でページをめくる手が止まりませんでした。
スパダリ常務と新米秘書、その距離の縮め方
財前さんは、外から見れば完璧なスパダリ御曹司。仕事のできる秘書を評価し、必要な存在だと認める——そんなビジネスライクな関係が、たった一夜で大きく変わります。彼の俺様な性格は一貫しているけれど、花梨に対して見せる表情の変化が何よりの魅力。強引に迫る姿も、偽装恋人を提案するときの真剣な眼差しも、全部が独占欲と執着に裏打ちされているから説得力が違うのです。
一方の花梨は、仕事はできるけれど恋愛に関してはどこか初心な部分を残しているのが愛らしい。酔った勢いで関係を持ってしまった後、謝罪一色になる純粋さが、財前さんの心をさらに掴んだのでしょう。偽装恋人という形でつながったふたりが、本当の恋人へと変わっていくプロセスが丁寧に描かれているのが、この作品の大きな魅力です。
仕事のできる秘書と俺様上司という組み合わせは、オフィスラブの王道でありながら、ここには「契約」というスパイスが効いている。ただの上司と部下の恋愛では終わらない、大人の駆け引きと感情の機微がふんだんに詰まっていて、読み応えは抜群です。
忘れられない、あの一言が刺さる理由
このセリフ、ただの強引な俺様発言に聞こえるかもしれません。でも、私はここに財前さんの根底にある独占欲と、花梨への強い執着を感じずにはいられません。「終わったと思うなよ」という言葉には、一夜限りの関係では終わらせないという彼の覚悟が滲んでいる。酔って介抱されるだけの女性を、ただの「都合のいい相手」として見ていないからこそ出てくる言葉なのです。
また、仕事では「お前が必要だ」とストレートに伝える彼が、プライベートではこうして「泣くまでかわいがる」と言い放つギャップも絶妙。普段はクールに振る舞いながら、いざという時に見せる熱量の差が、読者の心をぎゅっと掴んで離しません。この一言があるからこそ、偽装恋人という提案にも納得がいくし、彼の本気度が伝わってくるのです。
